評価:★★★★☆ 4.1
悪逆非道な侯爵令嬢エリザベスは、多くの罪を重ね、放逐される。多くの人間の怨みを買ったエリザベスは修道院への移送中に拉致され、身を売って生きていくことになった。あまりの辛さに自死を試みるも、己にも他人にも傷つけることができない呪いをかけられているため、死に逃げる事も許されない。最後は路上で命が尽きた。
エリザベスの望みは死ぬ事だった。やっと死ねるはずだったのに、また子どもに戻ってしまった?
悪逆令嬢の人生やり直し物語。主婦と生活社のPASH!ブックス様より書籍化(2019/7/26発売)。
話数:全48話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
我が儘で、無駄に行動力があり、ずる賢く、人の気持ちがわからない。手の付けられない子供の心を持ったまま悪逆の限りを尽くし、その果てに生き地獄へ堕ちた主人公。その経験を持ったまま五歳へ巻き戻った彼女は素直で、元気で、聡明で、思い遣りにあふれ、そしてちょっと変わった趣味を持つ素敵な女の子です。 決して前世の悪行を忘れたわけではありません。根本から別人になったわけでもありません。罪に苦しみ、自身の人間性に悩み、贖うためになにができるか考え続けます。そんな中でも一緒に食事したり、無邪気に遊んだり、恋をしたり、家族や出会った人達との暖かな日々を得ていきます。 これはちょっとズレてるけど健やかで可愛らしい一人の女の子の物語。
断罪され惨たらしい死を迎えた悪役令嬢。そんな卑劣令嬢の魔の手から生き延び幸せを掴むヒロイン。そして自らの過去へと逆行、生まれ変わる堕ちた令嬢。このなろうに於いて100万作はありそうな陳腐な設定である。陳腐でないのは性悪令嬢、つまり主人公の生き様だ。『自分の振り見て我が身を直す』底なしの悪意で他人を苦しめることのみに知恵を絞った前世を猛省した先は、世のため人のため。どこまでも善行を積もうとする生き様は美しく……数多の男性の心を奪うほどだった。そんな貴族令嬢が迎えるラストシーン。私は憧れてしまいました。私もそう生きたいと、強く思ってしまったのです。