評価:★★★★☆ 4.4
勇者と魔王が争う剣と魔法の世界。
魔族の少女フェルは魔王の従者として人族の住む地に降り立つ。その目的は人族と友好的な関係を築くこと。フェルは敬愛する魔王のために目的を達成しようと奮闘することになる。
そんな事情から、フェルは魔族として強い力を持ちながらも、人族に振り回されてしまうのだった。「魔族を滅ぼそうとしている宗教のシスターをやるのはちょっと……」
「冒険者になったのにギルドに依頼が一つもないってどういうことだ?」
「こんなヒラヒラな服を着てウェイトレスをやるのか……村ごと滅ぼしたい気分だ」そして未来。フェルがそのころに書いた日記があるダンジョンから見つかり、それは聖書とも、禁書とも言われ、物議を醸すことになる。
これは、彼女と彼女の日記をめぐる、笑いあり涙ありの物語。
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※ 2018/11/23に完結しました。現在、推敲作業中です。更新はありますが、物語の流れに変化はありません。
※ カクヨム様、LINEノベル様でも掲載しています。序盤が少しだけ異なります。
話数:全717話
ジャンル:
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
久しぶりにどっぷりとハマった作品でした。軽妙な文体についつい読まされてしまい、止めどころを見失って気付けば真夜中なんて事も度々。何度もクスクス笑いながら、所々でボロボロ泣かされながら、夢中でページをめくってました。軽いノリで始まり次第に重厚に展開していくストーリー。それぞれにトガッた魅力のある様々な登場人物たち。要所要所に散りばめられた笑いと伏線。甘い所や「おや?」って部分が0ではないですが、それらを気にさせない面白さでした。昨今の流行りに乗ったイケイケな作品ではなくとも、「物語」を読んだ満足感は間違い無し。主人公はとても残念で純粋で不器用。だけど真摯で誠実で、語る背中の魅力たるや。是非本編で堪能してみて頂きたいです。
本作品はタイトルに記載した通り、大変心温まるハートフルなお話です。大長編ではありますし、中身が子供っぽいわけでもないのですが、童話的というか児童文学的な優しさとロマンが随所に溢れています。友情や義侠心(主人公は女子?ですが)なんかが、好物な方には大変響くと思われます。そして、この作品の優れている所もタイトルの通りですが、イキイキとしたキャラクター達と、話の構成です。読み始めれば割とすぐに察せられるとは思いますが、ネタバレになるのと文字数制限から詳細は控えます。強大な力を持った魔族の主人公がひょんな事から人間界にやってきて、力や常識の違いから巻き起こす水戸黄門的なおかしみのある物語からの、ちょっとSF的な要素もちりばめた切ない後半戦。是非是非、ご自身の目で楽しんでください。なろう作品数あれど、量、質共にトップクラスの作品です。
魔王様の親衛隊隊長という役職にある私TUEEEな魔族の少女が、他種族の魅力あるキャラクター達と友誼を結び、次々とふりかかる事件を力技と交友関係で解決していくという…WEB異世界小説ではテンプレというべき物語が一人称語りで展開されます。 その語り口は軽妙にして、脱力必至の笑いを誘う会話劇が物語を決して飽きさせません。 しかしながら…恐ろしいことに、この物語のメインストーリーはテンプレ部が最高潮に達した”次の章”から始まるのです!主人公フェルと”もう一人の人物”にのしかかる残酷な運命、その余りの重さは読者の心にも深くのしかかり、きっと涙を誘います…。 あさりよしとお著『ワッハマン』といったコミックにも描かれた重いテーマを、285万という膨大な文字数の先に見事に書ききった『魔王様観察日記』…是非!他の皆様にも読んでいただきたいと思います<(_ _)>
あら筋とタイトルから想像した展開と、少しづつズレていく。良い意味で、裏切られ続ける。総話数とタイトルから、一話の短い掲示板系かと思ったら全然違う。脱力系ファンタジー小説の皮をかぶった、大のつく本格派。これだけの話数があるのに、読み進めるのが、読み終わるのが寂しくなりました。スピンオフを読み終わったら、また本編を読み返そうと思います。
日記だと思ったら日記じゃなかった。でも題名に間違いはない。タイトルからは想像できない世界がひろがっている。コメディなのかと思ったら、なんとも言えない切なさや虚無感が残ったりもする。最後まで飽きることなく、続きが読みたくなる。その後が描かれることのなかった脇役たち。彼らのことも忘れたくない。小説というより、そこに生きた人々の記録として残したいと思った。
そんな繰り返しでした。軽妙な文章から、紡がれる計算されたストーリー。ちょっとしたことでも、後々にそれが伏線であったことを思い知らされます。キャラも全て魅力的で、無理なく無駄なく一人一人にちゃんと想いがありました。もっと色んな人に読んでもらいたい、と素直に思える作品です。書籍化、漫画化、アニメ化まで行ってもらいたい。
主人公は魔族の少女。性格は男前。人族と仲良くなるため魔王様の従者として魔界から人界に来た。魔族と人族のギャップを上手く使った笑いが秀逸。基本的にギャグ展開なので、極端な性格のキャラが多いけど、それを上手く組み合わせたストーリー作りに作者の実力を感じる。読みやすい文章、張り巡らされた伏線。笑っている間に物語の根底にある世界の謎を知る。読み返した時に気付くことも多く、ついにやけてしまうことも。かなりな大作ですが是非読んで欲しい作品です。
タイトルに魔王とありますがこの作品はよくある「チートで世界を征服する」ような作品ではありません。むしろ人と仲良くするために主人公のフェルが頑張る物語です。人と魔族の常識の違いによるギャグが散りばめられていて読んでいて読者を飽きさせません。しかし、この作品の面白さはギャグと同じように散りばめられた伏線にもあります。一回目に読んだ時にはそれほど気にならなかった部分が、読み直した時には思わず「そういうことだったのかぁ。」と言ってしまうような伏線が思わぬ所に潜んでいます。一風変わった物語ながらついつい何度も読んでしまう。あなたも気が付いたらブックマークしていること間違いなしの作品です。
ありふれた異世界モノとは一線を画す、魔王と従者の、面白おかしく、どこか優しくも感じる物語。文章は読みやすいだけでなく、魔族と人間のギャップを上手く活かした笑いが随所に散りばめられていて、初見で読んだ時は何度もクスリとしてしまいました。特に細かい人物描写がないのにも関わらず、キャラクターの人物像が自然と浮かんでくる文章力はさすがのひとこと。センスを感じさせる言葉の数々は、名作たる資質を十分に備えていると思います。空いた時間に読むには最適な今作。思わずブックマークしたくなること間違いなしです!
爽快感だけで内容の薄い作品や、ドキドキハラハラばかりで疲れてしまう作品はあまり見たくない! という、そんなアナタにオススメします。 気がつくと何話でも読んでしまう、読みやすい文章。つくりこまれた世界観は勿論、適度なギャグが光、シリアスなお話をより引き立てます。 私からみると、主人公のフェルは魔族なのに考え方が人間らしいところが多いと思います。感情移入もしやすいと感じました。 他の登場人物の魔王様は勿論、出てくるキャラの個性も素晴らしいです。 いつものランキングにはなく、少し変わった、それでいて面白いファンタジーが読みたいという方にオススメいたします。