殺人ダンジョン

半年前、三月中頃から始まった連続斬首殺人事件。それは日本各地で起こり、被害者は199名に及んでいた。誰しもが200人目の被害者になることを恐れ、それは後世に語り継がれるほどの大きな事件となっていた。凶器は未だに発見されていないが、鋭利な刃物による犯行であることは間違いなかった。
遺体には共通点があった。どの遺体も高所から転落をした状態で発見されていた。事件の名称にもあるように、首と胴体は切断された状態だった。
中にはまるで病が感染したように始まった集団的な自殺だと考える者もいたが、事件の様子からそれは否定された。
犯人は一人ではない。そう考えるのが妥当であった。

事件が始まったのと同時期、半年前に日本各地で発見された地下ダンジョン。この事件はそこから現れたモンスターによるものだという噂を立てる者まで出てくる始末だった。その意見に〇〇市に住む高校生、榛名秋彦も賛同していた。
そして、ダンジョンが〇〇市に現れた時、榛名はこの騒動に便乗し、ある一人の人間を殺害する計画を企てた。