群青に還る街 完結日:2018年12月25日 作者:塚井理央 評価:★★★★☆ 3.5 水没した街で暮らす女子高生のユカリは、友人のアカネやミズキ、猫のアクアと共に学校生活を送る。家々は崩れ、自動車は水底に沈み、それでも彼女たちの日常は淡々と続いていく。 話数:全5話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 女主人公 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 天災 日常 水没 海 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
水に沈んだ街。退廃的な世界では、キャラメル、クッキーなどの飽食の生み出した菓子も、まるで前史の遺物かのように語られる。そんな死んでいく世界にいながら、確かに息づく少女たち。彼女らに、未来というものがあるのか定かではない。いくつ、明日があるのか。そんなことを考えるまでもなく生きていく彼らの呼吸と鼓動が、この小説には溢れている。殺風景な世界に呼応したかのような淡々とした描写は、描かれた世界の静寂をよりはっきりと浮き彫りにしてくる。廃墟好きや退廃的な世界が好きな方は、うならされること間違いなしの逸品だろう。