大量生産人間

　西暦２０９８年　日本社会は国家機関の管理局を中心に特権階級と特権階級を支えるＭＰＰと呼ばれる労働者と従来の普通の人間で構成されていた。
　ＭＰＰとは国家主導のMass produced personプロジェクトの略称で、優秀な遺伝子同士を組み合わせて、時には遺伝子操作を行い。様々なスキルを持つ社会に対して従順な人間を創り出すプロジェクトだった。
　ＭＰＰは感情をもたず、情報通信デバイスの指示通りに仕事をして生活をしていた。国に従順な労働者として高い生産力をほこり、ＭＰＰの活躍により国際社会において日本は経済大国１位となっていた。管理局のやり方についていけない人々や、管理社会からあぶれた人々は終焉都市という特別区画で制限された生活をしいられていた。
　ＭＰＰ労働者のシュンは管理社会でプログラマとして働いていた。終焉都市で反管理社会活動をしているルナという少女が起こした殺人事件により、自我を覚醒してしまう。
　自我を覚醒したＭＰＰは管理社会では排除されることになっており、再生工場という体を移植用のパーツにされてしまう場所に連れて行かれることになる。実質の死刑宣告だった。再生工場に向かう護送車の中でナカモト３佐に出会う。彼から管理社会の仕組みやＭＰＰについての知識を教えられる。
　ルナが殺人事件を起こした理由は優秀なプログラマを覚醒させて反管理社会活動のメンバーにすることが目的だった。ＭＰＰを覚醒させるには恐怖などの精神的刺激を与えて精神的な負担を与えることが必要だった。
　シュンが自我を覚醒したと情報を得たルナは反管理社会活動の指導者スギモト司令の指示によりシュンを助け出す。ルナ達に助けられたシュンとナカモト３佐は終焉都市に行き、スギモト司令と出会った。ナカモト３佐はスギモト司令とかつて一緒の部隊だった。
シュンは次第に管理社会の仕組みに疑問を持ち、反管理社会活動に賛同していく。そして反管理社会活動家達に対して、シュンがクーデター作戦を立てる。
　管理社会をささえる基幹システムの開発をしていたスキルの高いプログラマだったシュンの知識を活かして、管理社会の社会インフラを支えるシステムをダウンさせて、日本の防衛の要である防空システムの乗っ取りを実行する作戦だった。