評価:★★★★☆ 4.2
自分の事をルル様とかいう頭の悪いプレイをしていたら、目の前にいたのは自分が使っているはずのアバターだった。何千時間とかけたすべてのデータを奪われ、仲間達も離れていく。かつてトップランカーであった姿は見る影を失い、どん底から這い上がるためにチートアイテムを探すはめに。全てはいずれ来るエンディングのために……デスゲーム、AI、電子幽霊、0と1の狭間で足掻き、もがき、泣いて、落ちこんで。それでも笑って楽しむ。
だって──ゲームが好きだから!*ハーメルン様にも投稿しています。
タイトル名変更、元タイトル アンノウン -今日も私はゲームをする-
話数:全43話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
ルル様の勇姿を目に刻みつけるための作品……と、私は受け取りました。しばしば文章や設定に軽さを感じ、全体的に荒削りな感が否めません。が、「私は──ルル様だ!」この一言には力強さを感じます。まだ完結していませんが、この作品に散りばめられたアバター乗っ取りやデスゲームといった要素は、ある意味ただの目眩ましなのでしょう。本質は、ある目的のための準備期間と、その目的への挑戦に他なりません。つまり、短編としての性質の強い作品であり、そこに魅力を感じるかどうかが、読者が楽しめるかどうかの分かれ目でしょう。ですが私は、できれば、長編としてのこの作品を読んでみたかったですね。様々な登場人物との心の交流、最後のアレへの思い入れなど、もっと掘り下げて、長い時間をかけて徐々にストーリーの輪郭を浮き彫りにして欲しかった。その点は惜しいと思います。