評価:★★★★☆ 4.3
目が覚めた私が見たものは、見知らぬ男の部屋。
一糸まとわぬ自分の体と、脱ぎ散らかされた男の衣服。
ビールと煙草の匂いに、強烈な異臭、湿ったシーツ。
隠された自分の衣服と記憶。
この部屋の主は、どこへ消えたのか?
執拗に部屋を訪ねて来る男は、敵か味方か?
タクシーの男は誰なのか?そして、私は誰なのか……
話数:全22話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:R15
サスペンスの中にミステリーを混ぜ込んだ面白い作品です。以前、感想欄にちらっと書きましたが、地の文での進め方がとても上手いです。 序盤は会話文が少なく、地の文が続きますが、それが気にならないほどしっかりしています。 絶妙なタイミングで物語が展開していき、読者を惹きつける魅力もあり、また読みたくなるような作品です。 現に私がそうです。 皆様も是非読んで見てはいかがでしょうか?
この小説を読んだときに訪れる、身に迫るような不気味さの正体はおそらく『生活感』でしょう。ミステリ作品に付き物の奇妙な雰囲気を、キャラの奇怪な言動などではなく、身の周りのモノや状態をつぶさに観察することによって表現しています。本当に怖いものとは、自分が単純に非日常の中にいるという状態ではなく、日常がすべて非日常に変化してしまった状態ではないかと考えさせられます。これが『生活感』のもつ恐怖ではないでしょうか。丁寧な展開が体の内側をじわじわと侵食していく感覚を味わえます。……と、ごちゃごちゃ書いてすいません。一言で表すなら「めっちゃ怖い」です。怖いミステリほどおもしろいものがありますか? ないですよね。この作品のファンである私のためにも是非読んでください。お願いします。本当におもしろいので。