評価:★★★★☆ 4.1
転移系拳闘ヒロイック・サーガ。目指すはエピック・ファンタジー。伝説の魔闘拳士が、その拳と知恵で異世界を切り拓く大河戦記。
様々な出来事の中で失意のうちに少年・流堂櫂は異世界に転移してしまう。
持ち前の格闘術と魔法の応用で身を寄せた王国ホルツレインを救い、彼は魔闘拳士として吟遊詩人にまで歌われる英雄として世界に名を轟かせた。一度は日本に戻った櫂だが、自らの存在意義を異世界に感じてしまった彼は再びその異世界に舞い降りる。謎の多い青髪の美貌チャムと出会った彼は魔闘拳士カイ・ルドウとして、世界を見つめる旅に出かける決意をする。全ては温かく迎えてくれた人々の為に。何も言わずに受け入れてくれたチャムの世界を、自らが信じる正しい形に導く為に。
心強い仲間を加えつつ、カイの冒険の旅が幕を開ける。
*『魔闘拳士』は「カクヨム」でも同時連載しております。気軽に縦書きで楽しみたい方はそちらでどうぞ。
話数:全892話
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
先ず後出しで物語を進めるのが第一で好印象でした。しかしそう言う場合、過去に何かあるとしっかり書いて起きつつも実はグッと心動かされる世界観まで行く物語はまだ出会っていませんでした。この物語は違います。まさか過去編でここまで惹き込まれ、そして感動させられるとは思いもしませんでした。私は小説の場合異世界ファンタジーが大好きで、現実世界の出来事が物語だと異世界物程感動しません。なのに過去編の現実世界を読んで涙を堪えるのに必死でした。毎日なろう小説を読んでおりましたが、レビューを書かせて頂くのもこの4年間でこの物語も合わせて2回目。とても面白いです。
軽い気持ちで読み始めた時、驚きの余りナニコレ無茶苦茶面白いって思いました! 非常に細やかな設定に、暖かく優しくて魅力的なキャラクター達、そして圧倒的なボリューム感、その全てが凄いです!そして色々な要素が描かれ、どの要素も面白い! 主人公のカイは飄々とした少年で一見凄そうに見えないけど、あれよあれよという間に彼の凄さに読んでいる自分が引き込まれました!また、キャラクター達の関係も家族間の想いだとか、そう言った暖かい感情も非常に丁寧に描写されており、人物像が明確に脳裏に写し出せ、生き生きとしています。カイはただ激強い救国の英雄と言うだけでなく、知識や物作り、料理など多彩過ぎる才能を発揮しますが、彼の穏やかな性格がその凄さを違和感なく爽快な気持ちにさせてくれるのです。読みだすと面白いため引き込まれて夢中になってしまう、そんな超大作です! 是非皆さんも読んで見て下さい!
読んでいない私が、こうしてレビューを書こうと思い至ったのは……単純に面白すぎるからだ!!異世界転移、あぁ、よくあるあのパターンね、なんて初めは思っていたのだけど……それが大きな間違いだと気付くまで、そう時間はかからなかった。読み始めたら、その物語の構造の深さに驚き、感銘を受けたのである。一筋縄ではいかないクセのある主人公と、その傍らには美貌のヒロイン。でも。謎めいた過去、絡んでくる様々なキャラクター達の思惑……。え、そこでそんな展開になっちゃうの?これからどうなるの?主人公、どうするの?!……続きが気になって仕方ない!!できる限り、毎日読みます(笑)
まず感銘を受けるのは精緻に織り込まれた世界観です。その世界観に心奪われ、読み進めてみれば次に待つのは丁寧に込められた『想い』。非常に読みやすく、美しく、作者様の愛と情熱を感じることができる作品です。読めば読むほど、この物語の結末がどう展開されるのか期待感が高まり、そしてこの期待が裏切られることはないだろうという安心感にも包まれながら読むことができます。主人公カイの、おどけていながらも芯の通った正義漢ぶりも魅力!その他多くの人物も個として非常に存在感ある登場人物です。何と言っても最大の魅力はヒロインであるチャムなのですが、それは是非みなさんがお読みになって、みなさんのヒーロー、ヒロインを見つけてみてください。この物語は、登場人物達は、この世界で生きているのだと感じます。その命の鼓動を、是非皆様自身で感じてみてください。チャム可愛いよチャム(*´д`*)ハァハァ
この作品では細かい設定と世界観が地の文でうまく表現されていてまるでその場所に自分がいると感じられるものでした。作中にルステンなど異世界特有の単位が出てきてこんな所にも作者の捻りが入っているんだな、と感じました。 題の魔闘拳士とあるようにカイの武器はガントレット。ですがそのガントレットにもまた細かい設定が……隠し装備みたいなのは憧れます。主人公の性格も素直なのかあざといのか……自分が癖のある性格のキャラクターが好きなのでカイみたいなタイプの性格は新鮮です。そして地の文の書き方、表現の仕方が本当に上手だと思います。ぜひ模範とさせていただきたいです。
物語の設定がとても細かいのが特徴です。文章は、その状況や状態を繊細に書き出してあるのでとても想像しやすいです。その他、文章にたくさんの工夫があるので読みやすい作品です。ストーリーもよく練られていて、素晴らしいと思います。まだ読んでいない方はぜひ読んで欲しいです。きっと物語の世界に吸い込まれていくと思います!
最初は漢詩調の詩が流れ、それから世界観をイメージさせる文章から始まります。訳ありの青年であるカイに特に注目です。最初こそは有名ながらも、常識があるように見える彼ですが、後半になるにつれて、彼の過去とともに、獣たる所以が浮き彫りになるのですが、これまた読み応えがあります。異世界にいるカイも、過去の彼もその実、同一人物なのですが・・・確かに並大抵の大人では彼に勝てないだろうなと考えさせられます。ですが、異世界にいる彼は楽しそうに過ごしています。チャムはもちろん、途中から加入するトォリオ、フィノ達とのやりとりも微笑ましい。異世界の彼と過去の彼には共通点があり、どちらも自分の持つ正義に従っているということがわかります。ですが、その正義は彼にとっての正義であり、ほかの人の正義とは違うという。あなたが持つ正義、この物語を読んで、今一度考えてみてはいかがでしょうか。