異国巡る騎士見習い

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銀のスプーンは、王族の証。
ステンレスのスプーンは、騎士団員。
木の匙は、商人・平民。

忌むべきは、スプーンを銜えず産まれる〝口無し〟。
この者に、職はなし。
ただちに、国外へ追放せよ。
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高校生のかのこは、度々、青空の世界にいる夢を見る。
美術の授業中、デッサン用スプーンに逆さに映る自分を眺めていると、夢で見た青空の世界に立っていた。
そこで、ライオンの鬣をかぶった女性と出会い、自分はスプーンの騎士になるのだと告げられる。

納得のいかないまま、騎士団員になるための修行が始まるが、
エルフのようなはかない美少年ヒノエと出会い、
かのこはスプーンを持たずに産まれてきた〝口無し〟であり、
赤子の時に別世界へ捨てられたと告げられる。
そんな忌まわしき風習に従う王国を変えるべく、〝裏騎士団〟の仲間になるよう勧誘される。

スプーンの向こう側の世界で、スプーンの騎士として生きるのか、
王国転覆をもくろむ、裏騎士団になるのか、
自分は一体何者なのか、かのこの冒険が始まる。

登場人物
田鍋かのこ…フツーの高校１年生だったはずが、別世界に飛ばされスプーンの騎士として働くようになる。
ライオン女…スプーンの騎士団長。ライオンの鬣をかぶっている。本名不明。
サミー…男の子だけど、かわいいもの好きの騎士団員。
アツメ…見た目は小学生なのに、しっかり者の騎士団員。
ホウセン…騎士団第一部隊長。袢纏、下駄、着物に煙管といった出立ちをしている。
ジンカ…スプーン王国に反旗を翻す裏騎士団頭領。ライオン女と確執を持つ。
ヒノエ…裏騎士団幹部。人を石化させる代石術が得意。

第２章からの登場人物
クシュ…砂漠国に住む青年。