評価:★★★★☆ 4
21世紀の現代ではただの風俗店員だった俺は、過労死して暗い空間を漂っていた時に、弁財天と名乗る女性に遊女を救うように心に直接呼びかけられた後、何故か江戸時代の吉原遊郭の最高級の店である大見世の楼主になってしまった。
しかしこの時代の吉原遊郭の生活は結構ひどいものがいろいろあって……なら、俺自身も含めて関係者の生活環境を改善して、そのうえで、できれば梅毒が蔓延し遊女が使い捨てにされる吉原遊郭の悲惨な未来も変えようじゃないか。
そんな感じの話です。
結構いろいろご都合主義ですのでリアルさを求める方には向かないと思います。
また平和になった江戸時代なので天下取りとかの戦いはありません。
なお、武士は公式には諱を呼ばないのが普通ですが、そのあたりはわかりやすさを優先しています。
このお話は藤乃の引退で完結しましたが、続編を”続・江戸時代の遊郭の楼主に生まれ変わったので江戸の花街の未来も変えようと思う”と言う作品で書いていますのでよろしければ続いて読んでいただければと思います。[参考・引用サイト]
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参考URL:ja.wikipedia.org/wiki/この作品のオリジナル掲載サイト:日本の”小説家になろう”と”カクヨム”
著者:水源著者に対して許可なき転載を禁じます
話数:全317話
ジャンル:仕事もの
時代:江戸
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
や、分かってはいますよ。ありえないって。ですが…何ですか?この圧倒的な知識量!前世持ちだと言われても不思議ではありません。歴史、文化は勿論、風俗、物価、暮らし、果ては食事の内容まで。当時の人々の汗の匂いまで溢れてくるのですよ、行間から。本当に、江戸庶民の息遣いが聞こえてくる本作ですが、知識の披露に走りすぎてテンポは遅め。それと将軍家綱や次期将軍綱吉、御三家のトップ達(特に光圀公)等が複数回、事前連絡も護衛も無しに来て、主人公の頼みを二つ返事で受け入れる、という部分にご都合主義を感じたりしますが、それでも一読の価値ありです。もはや歴史書といっても過言ではないこの作品、ナマの江戸を感じたい方は是非。
何人か書かれてますが、今までにない題材と導入はとても良かったが、だんだんマンネリ化してきて、今では枝葉末節が違うだけで似たような話がずっと続いてる。連載速度を維持するためか、文字数を稼ぐためか、物語にほとんど関係ない豆知識の羅列で流し読みする箇所が多くなっている。また、他の店が潰れてから買収する時の流れや、新しい料理を出した時、新しい遊女がご飯を食べた時などの似たようなイベントがあった際の会話が、違うキャラのセリフであっても、コピペと思うくらい同じことしか言わず手抜きにみえる。題材はとても良いので、無理に毎日連載せずに一話一話もっと推敲すればさらに面白い作品になりそうなだけに手抜き感が勿体無い。
題材はとても良い。あとは人々のやり取りとして、宮部みゆき氏の時代小説を参考にして頂きたい。もしくは、さくらん、という漫画も。その当時の背景と現代の説明のみならず、もっと人情が深く混じりあって行けば、もっと没頭出来る作品だと思う。もとよりご都合主義だと宣言されているのだから、もっと自由にドラマ性を加味されても良いのでは?と思う。請う、御期待させられ。
主人公が「遊郭の女性の不幸な境遇を救いたい」という明確な意思を持って転生して、そのために奮闘する、というところまでは、大変素晴らしいと思いました。ただそれ以降、恐らく更新ペースを維持されるためかとは思うのですが、江戸風俗や遊郭についての豆知識の羅列ばかりが目立って、どうにも目が滑ってしまい……「労働環境を整える」というところに主眼をおいて、背景にある時代風俗の知識は雰囲気的にさらっと描写するにとどめていれば文句はなしの良作になったと思います。それとご飯の描写が気になります。献立を並べてるだけの印象があり、どうにも物足りないです。知識を利用した転生したものとしては…なんというか勿体ない作品だと感じますね
この作品では、当時の『吉原』の現状が分かりやすく描写されています。 当時の時代背景を絡ませて解説することで、無知な私でもより奥深く『吉原』というのはどのような物かを知る事が出来ました。 さらに、遊女一人一人に視点を置いた話もあり、主人公とは別の視点から『吉原』を見ることができます。 意外にも、当時の『吉原』の待遇は読んでいるだけでも酷い、と言う事がとても勉強になりました。 主人公はそんな問題を順々に解決していき、遊女たちの生活が徐々に改善されていく……。そんなお話です。 江戸時代のみならず、歴史が好きな読者なら是非とも一読しておきたい作品です。
実は、遊郭が舞台ということなので、ハーレム物だと思って読んでいませんでした。でも読んでみて、良い意味で裏切られました。どちらかというと内政チートで、人情物語です。ハーレムはちょっと、という人でも安心して読めると思います。実際に吉原で生きる人たちには、辛いことや悲しいことも多かったのだと思いますが、そこは作者さまの力量でさらっと読めるように書かれています。江戸時代の風俗の勉強にもなって、とても楽しく読める作品です。
『借金のカタに娘が女郎に』時代劇で、見かける話ですが、実際に売られたりしたらどうなるのか?どんな生活が待っているのか…この小説では、きちんとその辺りも触れています。その様な生活を送っていくしかない彼女達を救い、和ませ、少しでも彼女達を明るく前向きに生きる事ができるように主人公は、『楼主』として奮闘していきます。あくまでも、主人公が持っている知識は、彼女達の為、吉原の為、江戸の為…誰かの、何かの為に生かされていきます。それが、結局、最後には自分に『利益』として還元されてきます。読んでいくと、『吉原』という苦界に生きる人々に『頑張れ』とエールを送りたくなります。『歴史物』というだけでなく、『ヒューマンドラマ』的な側面もある作品で、一読の価値は充分にあります。
歴史モノで、転生からの内政チートをするけど、戦闘に一切関わらないという、なろう歴史ジャンルには珍しい作品。本作の主人公は江戸時代の遊郭の経営者へと転生しますので、なろうの歴史モノには珍しく、戦争参加やチャンバラ、火薬や鉄砲等兵器の作成なんかは一切ありません。また本作では、江戸時代の衣食住と吉原文化を少しずつ紹介しながら、そこに現代知識や風俗文化を取り入れる形での内政チートを行うので、文章的にも読みやすいですし、遊郭の経営改善と、遊女の労働環境改善が目的の内政チートが主なので、主人公が極端に権力や財力を手にしたり、ハーレムを形成したりしないところも目新しいです。まあ、舞台が遊郭なんで、権力のあるお客さんはやたら来ますし、遊郭自体も変な見方をすればある意味ハーレムなのかもですが……。歴史ジャンル好きの一読者として、今後の更新を楽しみにしている一作です。