温かい珈琲はいかが? 完結日:2019年2月24日 作者:侑奈 評価:★★★★☆ 4.1たくさんの友人達と楽しく過ごす高校生、那奈。 喫茶店でアルバイトをする綺麗な少女、真由。 代り映えのしない毎日に辟易した彼女たちはある日、喫茶店で出会う。 繊細な感情の揺れ動き、禁断の恋への衝動を苦い珈琲とともにご賞味いただけると幸いです。 話数:全12話 ジャンル: 登場人物 主人公属性 未登録 職業・種族 未登録 時代:未登録 舞台:未登録 雰囲気:未登録 展開:未登録 その他要素 注意:GL R15 ガールズラブ なろうで小説を読む
変わらない日常に退屈を覚える女子高生二人が織り成す物語です。いつもと違うことを探し求めたい気持ちはあるものの、一歩を踏み出せずにいる主人公は、偶然訪れた喫茶店で運命的な出会いを果たします。一目惚れをしてしまった相手は、同性。そのことに戸惑いながらも膨れ上がる気持ちに嘘はつけません。彼女に会いたいがため喫茶店に通い、二人で出かける約束を取り付けます。そして二人は互いの気持ちをぶつけ合います。二人に必要だったものは、変化のための一歩を踏み出す勇気だったのかもしれません。
本作は、日常に退屈さを感じていた少女が、喫茶店で店員の少女に一目ぼれするところから始まる。揺れ動く心情心理は細かく描写され、少女たちが感じる喜び、苦しみ、切なさがありありと伝わってくる。そして、それらをすべてひっくるめた上で感じることのできる、ほんのりとした苦みを含む甘いラブストーリーが魅力的だ。退屈だった少女の日常が、恋によって華やかに彩られていく。どちらにも相手を想う気持ちがあって、それ故に言えないことを澱のように募らせてしまう。その過程が両方の視点で描かれるので、思春期特有の卑屈さ、自信のなさがよく伝わってくる。そんな二人の迎えた結末は煌めくように綺麗で、どこか歪。それが欠かせない一味となって、作品の魅力を惹き立てているように見えた。甘いだけの恋じゃない。だからこそ感じられる大切さがある。是非ご一読を。
とにかくキャラの心理描写がしっかりしていて、揺れ動く気持ちや相手を好きな感情がストレートに伝わってきて読んでるこちらまでにやけてしまうような、とてもほっこり暖かい気持ちになれる作品です。物語の内容についてはネタバレになるのであまり触れませんが、喫茶店で知り合った素敵な店員さんが同じ学校の生徒で……。と書くと、学校での話がメインになるかと思いがちですが、どちらかといえばそれ以外の部分に重きを置いている作品で、だからこその相手との距離感が大事になります。学校ですぐに会えるという形じゃないからこそ会えた時の喜びや感情の揺れ動きがあってとても良きなお話でした。本日完結した所なのでこの機に皆様にも是非読んでほっこりして頂きたいですね。
平凡な日常に退屈さを感じる少女・高木那奈は思いつきで隠れ家のような喫茶店へと足を運び、店員の少女・貴船真由との出逢いを果たします。 まず特筆したいのが、この少女たちは退屈に押し潰されそうだということです。 思春期というものは往々にして、朝には赤だったものが夜になると黄色や青になっていたりします。成功経験の不足からくる自信のなさ、理想が高すぎる故の卑屈など、様々です。 彼女らも例外ではありません。 直前まで考えていた内容とは正反対に動き、二人はどんどん互いへ食い込んでいきます。 そしてきれいに歪に(ここ重要)、物語は決着します。 初雪のように繊細で煌めく文体で描かれる少女たちの心を、是非ともご賞味くださいませ。