大陸にしがみ付くようにある、東の弱小国マリーノ。
その国に、『魔女』と周辺部族から恐れられる、一人の女性指揮官。大陸の多くを占める、大国ロイヤ。
先代の皇帝亡き後、壮絶な後継者争いの後、即位した若き王。即位から四年、王は大陸制覇へ向けて、東へと出兵を始める。
その前に立ちはだかることになった、『魔女』―――レア・シィー・ヴァルハイト。勝ち目のない戦場で、大切な部下も友達も失い、それでも国を守るために、
最後に王の前に、自らを交渉の糧に立つ。探しておいでと、送り出された輪廻の先。
『何を』探していたのかさえ、思い出せないほどの時間をかけて、めぐり合う。神さまと人を繋ぎ、人と人とを結びつけ、編み上げられた空を一人で仰ぎ見ていた『魔女』と、
一人、世界に立ち向かう『王様』。風になぶられていた髪が、ふわふわと穏やかに揺れた。
風が止み、馬上の人物が微かにため息をついて、こっそりと苦笑したのを男は見ていた。
再び馬首をこちらに向けた女と目が合った。目が合うには距離があったはずだが、女もまた驚いたように目を見開いた。
そして、少しバツが悪そうな顔をする。
女、と言うにはまだ幼い、少女だった。10年を超えようかというブランク明けの作品。
語彙がだいぶ減ってしまい、リハビリがてら書き始めました。
構想自体は高校の時には出来ていたもので、ニヤニヤしながら書いていきたい。
難しい陰謀やら、策略やら、戦略は、もう大ざっぱです。横やりなど入らない、恋愛ものです。
魔法でドンパチやるような話ではありません。
どちらかと言えば、精神性な部分がファンタジーで、神さまがちょっと出てくるぐらいです。
この神さまが本筋で、この話は派生した一部です。
神さまが「探しておいで」と五百年前に送り出した魂が、ようやく探し物を見つける話です。
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