評価:★★★★☆ 4.1
妻の琴子が交通事故で死んだ。自分が怒鳴ったから、琴子は家を飛び出して、そして事故に遭ったのだ。深い後悔の念が、ずっと拓海の心を締め付けていた。
そんな愛する人の死を受け入れられない人のために、人工知能で故人の情報を解析して、パソコンやスマホに魂を蘇らせる技術が開発された。そのサービスを利用することで、画面を通してではあるが、拓海は琴子と再会できた。
琴子と久しぶりに会話をして、拓海に笑顔が戻った。琴子は事故の衝撃で拓海に怒鳴られたことはすっかり忘れていた。拓海は、自分が怒鳴ったことで彼女が死んだということを言い出せず、そのことに苦しみ続けた。また、目の前に見える彼女がバーチャルな存在でしかないということにも虚しさを覚えていた。しかしそれからの日々、彼女と一緒に彼女の両親に会いに行ったり、彼女が行きたかった場所を二人で旅したりして、拓海は充実した日々を取り戻すことができた。
彼女も、二人で過ごす日々を心の底から楽しんでいるように見えた。それなのに、ある日突然、彼女は「もう会えない」と言い出した。この作品に加筆した小説を、改訂版としてUPしました。(https://ncode.syosetu.com/n3400fr/)
生前に二人で訪れたマカオのエピソードや細かい謎に対する答えも入れています。そちらもご覧いただければ、幸いです。改訂版は、LINEノベルにも掲載しています。
話数:全10話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
あぅ~、個人的な予測に過ぎませんがバットエンドになってしまう気がするのです(-_-;)でなくとも、切ない終わり方に……この物語はすれ違いから始まって、結果的に妻を精神的に追いつめてしまい、事故死させてしまった夫が最新技術による”魂再生プロジェクト”を利用して、電子的に妻を再生するお話です。死んだ直後の事を覚えていない妻と、それを言い出せない夫、それを取りまく状況や想いの果てに物語の行きつく先は何処にあるのでしょうね。粗削りな部分もあるかもしれませんが、小説らしい小説でそこに魅力を感じました。