短編「シロと呼ばれた白い子犬」の連載版になります。
<あらすじ>
最初は甲斐甲斐しくも家族で子犬の世話をしていたにも関わらず、男の子が成長するにつれて段々と世話が雑となり、ついには山奥に捨てれることになったシロ。男の子の元に戻りたいと匂いを頼りに何ヶ月もかけて家へと戻ってきたが、そこには既に新しい白い子犬が飼われており、シロは捨てられたと知ってしまい今度は男の子の父親に保健所に連へと行かれ、そこで獣医の山中と出会う。
怪我のため、早まった殺処分の日が明日に迫ったシロだったが、同じく右足を怪我したおじいさんに引き取られシロは延命するため右の後ろ足を切断して助かる。シロはリハビリをしながらおじいさんと穏やかな日々を過ごすのだったが、おじいさんは病気のため亡くなってしまい、残されたシロは後を託された獣医の山中の元へ。彼女は彼女の夢である殺処分される動物達を救うため、おじいさんが残した遺産を引き継ぎ役立て、NPO団体『SIROの家』を立ち上げカフェスタイルで動物と触れ合えるアニマルセラピーを開くことに。そこへ初めての患者である男の子が車椅子に乗ってやって来たのが、初めにシロを捨てたあの男の子だった。けれども彼は交通事故に遭い両親と大切にしていた白い子犬、それと自分の右目と右腕を失くしていた。シロは二度と会いたくない相手であったが男の子の痛々しい姿に黙って見てはいられず、彼に寄り添う。けれども互いに大切な心と言葉を失くしたまま。
少しずつ互いに触れ合うことで仲良くなっていくのだったそんなある日、散歩の途中で交通事故を目撃した男の子は横断歩道で蹲り運悪くちょうどそこへ、車がやって来て動けない彼のことをシロが身代わりとなって助けシロは車に轢かれて亡くなってしまうが、その時初めてそれが男の子が求めていたシロの姿であると記憶が蘇り、心と言葉を取り戻した。それから数年後、その男の子……タチバナユウキは絵本作家となり、自分が経験した体験談を絵本としてシロのために残した。
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タイトル通り、小説としては面白くありませんでした。辛い出来事ばかりですし、報われたかと思えば、報われていない。人間の嫌な部分を見せられますし、心に刺さる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ただ、ペットを飼おうかなと少しでも思った方には、是非とも読んで頂きたい。ペットは所詮、と言うと悪い言い方ですが、動物で、私達人間に比べると出来ることは限られています。人の手によって生活を送るようになる動物は、野生というものを少しずつ無くしていってしまう。そんな動物を棄てるというのは、死刑宣告に近い事です。ペットを飼うというのは、その動物の人生を見届けると同意義です。重い意見かもしれませんが、そういうものです。人間だったそうでしょう?産まれたばかりの赤ちゃんを棄てたのなら…?まだ道はあるかもしれませんが、先は難しい。道の少ないペット故、しっかり考えて欲しいのです。
保健所。そこには毎日たくさんの犬や猫が連れて来られる。人に買われ、飼われ、さまざまな理由でてばなされる。シロも、その中の一匹でした。もとの飼い主から要らないと手放され、明日にも殺処分されるかもしれなかった。一人の老人が保健所を訪れ、そんなシロを引き取りたいと言いだした。シロは新しい飼い主と共に日々を歩むことになる。シロは幸せになれるのか。これを読むと、あなたも命の大切さと儚さを思わずにはいられないでしょう。
私がこの作品をお薦めしたい対象は、『豊かな感性を内包する真の知性を求める方々』です。この作品には人が知り得る『ほぼ全ての感情とドラマ』が凝縮されていて、まさに珠玉の短編なのです( 〃▽〃)人と人が…人と異生物(犬)が何を思い、何を祈り果て、そして何を得るのかまでをユーモアを交えた飽きさせない構成で最後まで一気読みさせてくれます。この作品を読み終わった貴方は、『少し賢い大人』になっている事でしょう♪(σ≧▽≦)σ
動物は好きですか? 動物を飼った事はありますか? 飼う予定はありますか? そんなあなたに是非お読み頂きたい。「シロと呼ばれた白い子犬」の続編なので、未読の方はそちらからお読み頂けますようお願い致します。 より深く、ペットの命について考えさせられる作品となっております。 読者はペット産業が抱える闇を直視させられます。 もう、動物を飼う前にこの物語を読む事を義務付けた方が良いレベルです。 動物は生きています、あなたと同じです、どうかお忘れなきようにお願い致します。
色々と考えさせられた作品。 最初は純粋にお話を、二回目は作者様が我々読者に伝えたいことを考えながらじっくり読んでみることをオススメしたいところです。 読んでいくと胸を抉られるような感覚に陥ることも少なくありませんが、一人でも多くの人にこの現実が伝わってくれたらいいなと願うばかりです。 実際はこうじゃない、ここが違う。そう言いたくなる人もいるかもしれません。ですが、作者様がこの作品を通して伝えたいことはそこではありません。 ペットを飼っている人、これから飼おうと思っている人、もちろんそれ以外の方にも全力でオススメしたいお話です。 あなたも是非、この現実を知ってください。
いろんな意味で心を打たれた受けた作品でした。自分はペットを飼っていますがそれは保健所から引き取った子達です、だからこそ今飼っているこの子達もそういう運命を辿る可能性があったんだと考えると胸が締め付けられます少しでも殺処分される犬や猫を減らす、そのために自分は何が出来るのか…今1度考えてみようと思いました多くの人がこの現状を知りません。だからこそ作品を通し知る人が増えることを切に願いますそしてシロが幸せだったのかどうかは人それぞれ違うんだろうなぁと思います。自分は衝撃を受けましたが後味も悪くなく納得いく終わりだったと思います素晴らしい作品でした。
人間の業のようなものを感じ取れる作品です。出来れば、多くの人に読んで貰いたい。日本人には「見たいものしか見たくない」。「見たくないものには蓋をする」といった現実から眼を背けたがる性質があると思います。都合が悪くなったら保健所に持っていって殺処分を依頼する、可愛くなくなったら愛さない、というのは、本当に身勝手な人間のエゴだと思います。動物虐待問題は児童虐待問題などとも類似しており、「小さな命」を「責任を持って愛せない」という、人間のどうしようもない無責任さが蔓延していてやるせなくなります。作品自体は、最後に光の見えるような内容でした。
ペットを買い、飼い、やがて壊。ペット問題を題材として取り扱い、その残酷さを犬目線で克明に描く。 奇才『scarlet』の新小説が今、幕を開けました。 ペットを飼っている方、ペットに興味がある方、そしてペット問題に関心を持っている方は是非読むことをお勧めします。これは教育や教養の1面も持ち合わせているので、刺激の強いと思われる部分は省いてお子さんや生徒に読み聞かせるのもいいかもしれません。 『シロ』は、ボロボロでした。前の飼い主は随分と「物」の管理が杜撰なようです。首が絞まるほどリードを引っ張り回し、壊れたテレビを叩いて直すかのように『シロ』を打つのです。そして、どうせ捨てるのだからと強引にゴミ袋に詰めるのです。「物」だから、情があっても優しくする必要なんてありません。ただただ『シロ』は厄介なだけでした。 「生きて」いたって、「物」は「物」 あなたは、どう思いますか?