評価:★★★★☆ 4.1
かの地の名はアルイーン。
乾いた白茶色の大地に繰り広げられし、興亡の絵巻。
西の強大な軍事力を誇るバッファーン朝イゾルタン帝国、東の謎多き国カラ・シーン神皇国、混乱の続くマズムール王国、大国の間で揺れるアズタンザイヤ……
アージ・アルイーン神殿に伝わる秘密を巡って、国々の思惑が蠢く。
やがて北からバンディア大陸連合軍の侵略の魔の手が、アルイーンの大地を乱していく。
――――と云う物語の、外伝です。ヒタノの踊り手ヴェスタのある夜の不可思議な出来事――。
鏡の中から彼女を窺う邪悪な気配とは? 妖魔に魅入られたヴェスタの運命やいかに。
挿絵が入りますが、苦手な方は非表示でお願いします。
千夜一夜物語風のダークファンタジー。煌びやかで妖しい夜の闇へようこそ。
©️ 加純 2016.
※カクヨムにも掲載あり
話数:全8話
ジャンル:
時代:中世
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
私たちは文字を読むとき、物語を読むとき、それは読み手だ。だけど、この物語は気付けば聴衆に変えられてしまう。流浪の民(ヒタノ)の踊り子ヴェスタの、あの魅惑的な蠱惑的な舞いに、そしてあの楽の音に。いつの間にか、観客に変化している自分に気付き、耳を目を傾けている自分に気付くだろう。だが、この物語はそれだけじゃない。その魅惑的な彼女はいつしか闇に紛れた魔性の者すら寄せ付けてしまう。あなたは今度は彼女となって、それと立ち向かう。夢幻の様なそのドラマが、あなたの物になるこの物語。読まずに済ますには、あまりにも勿体ない。