評価:★★★★☆ 4.2
令和二年(2020年) 一月十六日 アース・スターノベルスより書籍化。
最強の魔王ザッハトールは、最強すぎて千年の間ずっと魔王の位にあり続けていた。
いい加減魔王に飽きたザッハトールは、マッチポンプで勇者を作り出し、自分を倒させる策略を実行する。
見事倒されたと見せかけて自由になったザッハトール。
そこで彼は、死に瀕したドラゴンと、今にも生まれそうな卵と出会う。
ザッハトールは新たな人生の皮切りとして、ドラゴンから卵を託され、育てることになった。生まれた赤ちゃんドラゴンは天真爛漫。
育児経験がないザッハトールは悪戦苦闘。
育児の先輩を求めて人間の村に居候することになる。
そして、勇者パーティの一員だった姫騎士を母親代わりに引き入れての、なんちゃって家族計画。最強の元魔王と、ドラゴンの赤ちゃんと、姫騎士によるスローになりきれないスローライフが始まる。
話数:全106話
ジャンル:
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
とにかく楽しい。登場するキャラ達がみんな、なんとも愛嬌たっぷりで、こんな異世界スローライフが暮らせたらいいだろうなあ、と。読後感も良いです。主役は最強魔王だけども、彼だけではなく、周囲の人々も魅力的。それぞれ、何とも言えない味がある。真面目一筋、やたらと一途、一所懸命なのにどこか抜けてたりする、愉快な魔王の側近達。昨日の敵は今日の友というか、育児仲間と言うべきか。ドラゴンベビーを育てる女性騎士。気のいい村人達。わかりやすくて馴染みやすい世界観を背景に、異世界らしい牧歌的な日常が描かれる。もちろん、ひたすらスローライフ続きというわけではなくて、そこは異世界らしく、ピンチも事件も程よく起きる。ストーリーに緩急がついていて、魔王が自称通りに最強、読んでいて楽しくなれる。読み進むうちに、読み手の自分も、魔王一家の愉快な一員になれた気分を味わえる本作、お勧めです。