評価:★★★★☆ 3.8
少し特殊な小国・レガート皇国の楽士伯家に生まれた女の子、エウルナリアは歌うことが大好き。
日々、歌っていられたらそれで充分だけど、家の都合を考えると四年間の学院生活を経てゆくゆくは皇国楽士団の歌い手になったほうが良いらしい。10歳のときは、お隣の親友とほのぼのしたり、家庭教師から難題を出されたり、外国に行ったり……
14歳では幼馴染みと一緒に学院生になって、いろいろと学びました。
16歳で、とうとう成人となりますが…?あまり深刻にはなりたくないし、歌がないと生きてる甲斐がない。でも、好きなことのためならがんばろうか。
そんな女の子の、成長を綴るお話です。(*転移、転生、魔法や悪役令嬢といった概念は一切登場しません)
4/25、幼馴染み三人組(16歳)のイメージ画を描きました。
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作中のサブタイトルに※があるものには、らくがきという名の挿し絵があります。
話数:全119話
ジャンル:仕事もの
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象
ヒロインは10歳。 風光明媚な芸術の国の、類まれなる才智と美貌を備えた若き歌長の一人娘。 外交によって強かに生き延びる小国の在り方や、周辺国への旅、美味しそうなお茶やお菓子、そして音楽や絵画を背景に、主軸として描かれるのはヒロインを取り巻く恋模様。 同年代の少年たちの甘い駆け引きあり、年齢差をガン無視して距離をつめる美貌の権力者あり(10歳だよ!?)でも一番強いのはもしかしてお父様では……? と、最後まで「で、誰?」と波乱含みにストーリーは進んで行きます。一応の決着はつきますが……? その後を描く思春期編「楽士伯の姫君は、心のままに歌う」では10歳では描けなかった危うい展開が続出し、またアダルト感ましましの過去編「湖の精と歌長」を読むと、シリーズを通して繊細に作りこまれた世界観が楽しめます。 作者自身の手による挿絵も魅力的。
楽士伯の愛娘、エウルナリア(愛称エルゥ)を取り巻く優しい人たちと美しい音楽、初々しい恋愛を描く物語!エルゥは、黒髪、青い瞳の十歳の美少女ですが、物事をちゃんと考えたり悩んだりしながら、言葉を大事に話す子。彼女の内面と外見の愛らしさに読者としても好きになってしまいます。そんな彼女の仕草や言葉に、陥落する周囲の大人や少年たち。パパにお婿さん探しを匂わせられ、ちらほら現れる彼女を慕う男の子たち。ささやかなライバル心や強かさも見せながらも、まだ彼女の愛らしさに翻弄されてしまう様子は見ていて応援したくなります。周囲の大人たちもみんないい性格をしていながらも、彼女を大事に見守り、害をなすような描写がなく安心してお話を楽しめます。でてくる人たちみんなに好感が持てて、幸せを感じられます。彼女の住まう館や旅先の風景、音楽や歌の美しい描写に囲まれて、今後の成長や恋愛を楽しみに読み進められるお話です。