評価:★★★★☆ 3.9
平凡な日常を送っていた六月春(むつきはる)は、ある日突然同じクラスの女の子に告白される。
素直な気持ちと共に「付き合って」と迫られた春。
しかし春は彼女の告白にいい答えを返すことはできなかった。誰かを好きになれない。ましてや悲しませてしまう。
無力な自分を恨み、罪悪感の海に溺れそうになっていた春に芽生えたのは、自分を嫌うという負の感情。
しかしそれは春自身の問題だけでは済まされなかった。気がつけば学校で変な噂を流され、嫌われ者として学校中の注目を浴びることになってしまったのだ。
唯一の友達さえも失うこととなり、春は正真正銘の1人ぼっちとなった。(あらすじを読んでいただきありがとうございます。ブクマ、評価、感想等、いつも励みになっております。評価の方は最新話の本文下部より行えますので、何卒よろしくお願いいたします)
※同タイトルの小説をカクヨム様でも連載中
話数:全30話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:R15
主人公の男子高校生六月春は、容姿端麗なとある女子生徒に告白される。だが、春は告白されるも自信のなさもあって断ってしまう。その事が、春の高校時代を一変させてしまった。元々一人でいる事が多い孤独な春だったが、その出来事がきっかけで阻害されてしまう。言われないはずの噂まで広がってしまうも、春は本来の孤独症故か、自身への誹謗中傷を享受し、事なかれと日々を過ごそうとする。だが、そんな歪な状況を周りが放っておかない。その件がきっかけで春には様々な人間関係が入り乱れるようになる。誰がメインヒロインと成りうるのか、それさえも分からないまま話は進みますが、文章がとても丁寧に書かれている上、既に沢山のフラグが立っているのをどう回収していくのか、続きか気になってしまう良作です。ありきたりの恋愛小説に飽きた方は、是非読んでみて欲しいですね。
本作は、自分のことが心底嫌いな主人公を中心に描かれた、ヒューマンドラマのような作品。無力がゆえの罪悪感で溺れそうになるくらい、自分のことを愛せない主人公。誰でも共感できるような一面だが、本作はそれを徹底して描き出している。自分を嫌い、周囲を立てて、目立たないようにする主人公だが、それは彼自身の問題だけでは済まされなかった。気がつけばおかしな噂を流され、学校中の嫌われ者。そんな状況さえも肯定し、受け入れてしまう。しかし、そこからの彼の行動は、ただひたすらにひたむきで真っ直ぐだった。卑屈なまでに一貫した主人公の心情が多彩な文体で描かれ、その後の展開が読み手の心を鷲掴みにする。弱さや葛藤を描きながらも、誰かに手を差し伸べられ、きちんと自ら向かい合う。そんな彼の物語に、心から感情移入してしまう人は多いのではないだろうか。是非ご一読を。
主人公の六月は素直になれない。いつも自分を卑下することで周りとの摩擦を避けて来た。そんな六月がある日、クラスの女の子から告白されて…主人公の弱さや葛藤、そして成長がとても見事に描かれていて、容易に感情移入してしまいます。とにかく切なくて、甘酸っぱくて…そんな学生生活が主人公の目を通して自分の事の様に伝わって来ます。とにかくその心情描写が凄く上手いんです。これは作者の文章力の高さ故の事でしょう。ヒロインや親友、妹等の登場人物達も魅力的!ネタバレなので控えますが、主人公の家族愛には泣かされます。他にも感情を揺さぶられる場面が幾つもあり、読む者を飽きさせません。これは必読の価値有りと思い、皆さんにお薦めさせて頂きます。まだ序盤ですので、是非、今のうちに読んでみて下さい!