ノブナガ・ザ・ゲームマスター

織田信長とＴＲＰＧを混ぜると言う発想がまず素晴らしいと思えました。ＴＲＰＧだけでなく歴史にも作者の造詣が深い。作者が日本史の人物をどう評価しているのかと言うのも読んでいて面白かったです。ＴＲＰＧは自分も遊んでおりますが、読んでいてあるあると頷く事が多々ありました。この奇跡の物語を皆さんも是非読んでみて、宜しければＴＲＰＧにも興味を持っていただければ幸いです。

あの織田信長が時空を超えてＴＲＰＧを楽しむという異色な本作。織田信長『を』楽しむのではありません。織田信長『が』楽しむのです。 本作の見所は登場人物たちが本気でＴＲＰＧを楽しんでいるところでしょう。戦術に長けた信長が遊ぶようなら、本気で挑まなければついていけないというもの。その姿勢でこちら側にも「いけない、この状況はマズい」と伝わってくるのです。遊びだとしても本気で挑む姿は素敵。 でもＴＲＰＧってなんぞ？ と、このレビューを見た方は思うかもしれません。 しかしやったことのない人でも理解しやすいように簡単な解説を交えながらストーリーを進めていきます。実際に私もＴＲＰＧをやったことはありません。それでも物語の最後まで楽しむことができました。 織田信長が主人公達と一緒に遊び、笑い、思慮する物語の先にはいったい何があるのか、是非あなたの目で確かめてほしいです。

ひょんなことから現代へと織田信長がやって来て、主人公である大学生コウ太とTRPGを遊んでいくという、突飛にして傾いたストーリーが本作第一の見所です。 この時点で歴史好きな人やゲーム好きな人、双方いずれかの琴線に触れること間違い無しの作品であります。 が、本作はそれら双方のうち興味の薄い・疎い方のある読者にとっても問題の無いよう、両方の要素を丁寧に解説しながら話を進めているのが非常に好印象です。 しかし物語を読み進めていくと、その突飛な要素の組み合わせが紡ぐ主題が何であるのかが、次第に判明していきます。そうして迎える超展開と大団円とは……！？ 是非ともそれは自身の手で確かめて欲しいと思います。ですので、貴方も今すぐ「ノブナガ・ザ・ゲームマスター」を読みましょう！

織田信長とＴＲＰＧをする――。 誰がこのような状況を想定し得ただろうか？本文から抜粋したが、全くもってその通り。本能寺で亡くなったとされる信長が現代で、チートするわけでもないし、TUEEEするわけでもない。TRPGというゲームを学び楽しむ内容、知らない人にもしっかりと説明が入るので読みやすい。 まだ完結していないので、これからに期待の一作！

本能寺で死んだはずの織田信長が、何故かタイムスリップして、現代のオタク青年と出逢い、TRPGにはまっていくという、ちょっとなにいってるかわからない、と真顔で聞かれてしまいそうなトンチキな設定でありながら、信長の人物像や、歴史的な小話をちりばめることで、信長がゲームに馴染んでいく姿がおかしな説得力で描かれていて面白い怪作です。昨今、動画などでTRPGに興味を持たれる方も多いとのことですが、未経験者織田信長がTRPGという遊びを知って、楽しく遊びはまっていく姿が、ゲームのすすめかた等のTRPGの解説と共に描かれており、ちょっと興味を持ったという人むけの入門書として実に良くできています。TRPG好きな人、TRPGに興味を持った初心者、そして、殺伐とした戦国時代から解放されてゆる～くゲーマーライフを楽しむ信長の姿を見たい人にオススメの一作です。