評価:★★★☆☆ 3.3

人間、牙琉レンは高校二年の青春真っ盛りである。
そう、青の春と書いて青春。
だが、……皆まで言わずとも知れよう。残念だが、お話にあるような青々しい春など普通は送れるわけはない。
それに、彼は人との関わりを持たない人間であったし、真っ当な人間関係を築こうとも思っていない。
そんなわけで、レンは褒められたものではない青春時代を過ごしていた。
レン本来の性質も、あんまり青春時代とは相性が合っていなかった。

そう、牙琉レンは――自が認める中二病なのだ。

とはいえ、さすがに、おおっぴろげに『右手が……』なんて馬鹿なことはしない。中二病なのは心の中だけだ。認めているのは、知っているのは自分だけ。

友達はいない、出会いもない、だがそれでもこの中二病のおかげでレンは日々を多少なりともは楽しくこなすことができていた。どちらかといえば、レンの中二病は彼の足を引っ張るのではなく、むしろ助けてくれていたのだ。

そんな日常を過ごしていたある時、レンは人生に大いに関わる転機と遭遇する。
道端に、人が倒れていたのだ。……真っ黒な装いに、血みたいなケチャップを撒き散らし、全身に包帯をぐるぐる巻きにしていた少女が。聞くと「しくじった、わたしとしたことが……」なんてブツブツ言っている。

その少女を一目見た時から『同類』だと判断したレンは、この少女と関わることにした。
だが、違った。
そんなものではなかった。
この少女は、紛れもなく、紛れようもなく、異端も異端、人智を超えた存在だったのだ。

彼女の名はヴィンフォース=シュバルゲン。

邂逅したその瞬間から。
『同類』ではなく『本物』だった彼女とレンのダークネスな関係が始まったのだった――。

※忙しくなるまでは毎日更新します。


話数:全168話

登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

その他要素
注意: