ユメノイド 　― 夢の井戸 ―

「頭の中に、記憶を喰う蟲が棲んでいる」

　記憶をなくした主人公・怜に、襤褸のコートを着た男・陽介は語った。
　レトロ未来な東京を舞台とした、ＳＦ冒険活劇。
　数々の不可解なガジェットがあらわれ、あなたを異界へと誘う。

　路地に立つ「灰色 雨合羽（はいいろ あまがっぱ）」の正体とは。
　頭のない鳥型ロボットは、なぜ存在しているのか。
　闇の中、群れをなして蠢く機械仕掛けの蜘蛛たちの正体とは。　

　狂気を具現化したような世界で、冒険が始まる！

　昼夜、奇妙な「井戸の夢」に悩まされている少女・怜（れい）。
　嘘人（きょじん）と名乗る、謎の男・陽介（ようすけ）。
　陽介の仲間、ひとの好さそうな総一郎（そういちろう）。
　
　総一郎の調査の結果から、怜の自宅と思われる、東京は新宿の外山団地（とやまだんち）三〇三号室に行ってみることになった一行。
　
　折しも、「電磁パルス爆弾によるテロのため、今現在、新宿は、取締りが厳しい」と、嘘人（きょじん）仲間・蝉（せみ）から、情報が入る。
　だが陽介は、むしろ興味を持ち、新宿行きを決定してしまう。
　怜が三〇三号室で見たものは――。　

　怜、陽介、総一郎の三人を、真実が待ち受ける！