評価:★★★★☆ 4
~WIZARDWARE(ウィザードウェア)魔法戦記シリーズ第1弾~
青年アキムは結論を迫られていた。上空に浮かぶ「影の王」の輪郭――真球の姿をした巨体、圧倒的殺戮能力を持つ人類の宿敵は、現在100年の眠りについていた。目覚めるまでの期限はあと12年。一度は滅亡の危機に瀕したレジスタ共和国は対抗策を講じていたが、武器は「魔法研究所」が開発を続ける魔法弾のみ。木々を揺らすだけの弱い光の塊に比べ、敵の大きさは直径50メートル。巨大さから「第3の天体」とも喩えられる。
彼は無理難題を解決する為、戦闘中とある知識に目をつける。別の世界に存在すると文献に記載された「ソフトウェア」と呼ばれる情報技術だ。世界を仰天させるアキムの謎解きが幕を開ける。
★主人公が「魔法弾」と呼ばれる小さな光の塊を、ソフトウェア(C言語プログラミング)の仕組みと独創的な発想で拡張させ、巨大な敵と戦う物語。ページをめくった瞬間、ファンタジー戦記&SF&ミステリーの複数ジャンルを網羅した新しい世界が飛び出します。徐々に明らかとなる敵の正体と世界観……。ラストまでどうぞお楽しみください。
★本作は情報技術を嘘偽りなく魔法とファンタジーで表現したITの手引書でもあります。読み進めることでコンピューターやプログラミングのコツ(知恵)を習得できます。
☆JINKE小説大賞応募中、一定の科学的原理・法則に基づくSF、テーマ③ファンタジーを選択しています。(本編17万5千文字、外伝5万5千文字)
☆カクヨムでも公開しています。無断転載はご遠慮ください。
話数:全80話
ジャンル:エピック・ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:舞台はファンタジー
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
絶対的な制約を力に替える“智恵”と“創意”、そして“工夫”の大奮闘!勝利の鍵は魔力にあらず。魔に抗するは根性にあらず。固定観念は足を引く。硬直思考は負けを呼ぶ。“智恵”で固定観念を覆せ。“創意”で限られた要素を活かせ。“工夫”で可能性を切り拓け。勝利の鍵は“ソフトウェア”。有限のコマンドから無限の機能を造り出せ!覚えるだけが魔法じゃない。力押しだけが能じゃない。“拡張”せよ。切り拓け。機能を描け、“ソフトウェア”!これはまさしく“技術”の書。論理と発想で武装せよ!WIZARDWARE := WIZARD + SOFTWARE制約に負けるな。魔法を“造れ”。可能性は己の裡にある。今日から君も魔法“技術者”だ!
本作において、キャラクターも物語も小説の評価としてはあまり良い意味では使われない『動かされている』という言葉を使わせて頂きます。なんと素敵に運命に、宿命に対して上手く動かされているのだろうというのが最初の感想でした。作者様のキャラクターへの愛あるいは作品への愛を感じる点として、キャラクターの使い捨てを辞さない事です。これは昨今のWeb小説では中々お目にかかれません、それ故作品完成度の高さが比例されているのではないでしょうか? そして、キャラクターが動かされているという事、これが最後の最後でそういう事なんですねと分かる感動を皆さまにも感じて頂きたいですっ!
魔法とプログラミングを掛け合わせた設定が、この作品の最たる特徴と言えるでしょう。ただし、最低限のプログラミングの知識については、作中でわかりやすく描かれていますので問題ナシ!作中では、現在の私たちの技術は過去の遺物。それどころか、「役に立たない知識」とさえ言われています。しかし、主人公はそんな世間の常識などお構いなしに、その「役に立たない知識」を吸収していくのです。「役に立たない知識」が主人公の手によって「新たな可能性」になるとき、きっとあなたも胸が熱くなってくると思いますよ!さらに、その特徴をただそのまま使っているだけではなく、主人公を取り巻く人間関係や、「影の王」という恐ろしい存在が物語をさらに盛り上げています。主人公を陥れようとする人物とは誰か?「影の王」とはいったいなんなのか?緻密に構成された文章と伏線に魅了され、読了時、きっとあなたも「良い作品だった」と思うはず!
大人と子供の違いは「使命」と「夢」であるといいます。誰かを助けたいと夢見るのが子供。誰かを助けねばならないという使命が与えられたのが大人。カッコイイのが使命。美しいのが夢、と言ってもいいのかもしれません。この作品はそういうカッコよさのある作品です。なろうはWeb小説という気軽な媒体という特性上、どうしても明るい話や気軽な話が人気が出がちですが、「よっしゃあ、今日は気合入れてカッコイイのを読むぞー!」って思ったとき、この作品はとってもお勧めですよ!
★この物語には2人の主人公がいる。柔軟な思考を持ちタブーにも頓着しない今一歩意志の弱いアキム。気高く強い意志を持ち伝統に厳格だが思考に柔軟性の無いデスティン。私にはこの2人の相剋のドラマと見えました。★ハイ・ファンタジーと言うのは世界観背景を緻密に作る必要が有るのと同時に、それをよりドラマチックに盛り上げることのできるストーリーが重要となります。★そこでこの物語でストーリーテーリングを担うのが2人の魔法士アキムとデスティンです。性格も資質も全く異なる2人は反目しあい否定しあい、多大な挫折を背負うことになります。そして2人の人生が再び交わるときに、物語はクライマックスを迎えるのです。★そのラストシーンはあなたの目で確かめてください。★わたしはアキムもデスティンもかっこいいと思いました!
私はこの小説を読み、『面白さ』と『読みやすさ』が印象的に感じたので感想を書きました。 そのお返事に……「ネット小説には『ページ間』というものがあることに気づきました。『次ページへ』を押すときの高揚感があるそうです。『ページ間』を考えたとき、ひとつのエピソードよりもひとつのシーンを基準にするべきだ」と考えたそうです。そして、「読みやすくなったという感想をいただき、自分の『ページ間』が心地よさとして読者に伝わったことを知ることができました」と逆に感想をいただきました。 『くら智一』様の深い考えに感服いたしました。 そんな『くら智一』様が手がけた作品です。 最高級の読みやすさと面白さは勿論、どなたでも楽しめるファンタジー要素と魔法とプログラムを結びつける素晴らしいアイデアの詰まったオススメな作品です。
役に立たない物から始まる世界の変革。不真面目な落ちこぼれと罵られる存在アキムが組し魔法の書、誰もが信じなかった。目の前にある絶望のタイムリミット。影の王と影の子と呼ばれる人類にとっての悪夢が牙をむく。人類に結びつけた運命の糸はゆっくりと手繰り寄せられていく。 全ての絶望の根源である影の王を封じし者達は100年の安泰と100年後の絶望を残した。人類に与えられた4つの力、そんな最中に起きる最悪の再来。人類に残された希望を目前に真っ赤な戦火が襲い掛かる。運命を断ち切る戦いが此処に始まる!人類存続の鍵握るアキム。世界に役に立たない物などない、全ては使うもの次第なのだから。電子記号に見立てたプログラムと言う新しい視点から魔法を描いた此方の作品。宜しければ貴方の知らない魔法の世界を読んでみてください。新たな世界に広がる魔法を感じてもらいたい。
私は高校時代理数系に進みましたが、ぶっちゃけプログラムとかわけがわかりません。詳しく説明されたところで多くの専門用語や業界用語にやられて理解不能。意味不明。 この作品のタイトルやあらすじを見ると、そんな難しそうな、難解なイメージを抱きますが、いざ読んで見るとそんなことはない。これは普通に(というと失礼だが)面白い小説だ。 まだ全てを読んだわけではないので詳しく掘り下げることはできないし、読者の楽しみを守るためにもそうはしないが、この作品は間違いなくなろうハイレベルの面白さを内包している。読んで損はない。むしろ多くの利益を得ることが可能だ。さあ、こんなところに突っ立っていないでさっさと作品ページに飛べ。この一分一秒を読書に使った方がいい。
文章、情景描写のうまさはもちろんのことですが、とにかく設定、魅せ方、演出がうまい作品だなと思いました。 私はこれまで1年ほどなろう作品を読み漁っていたのですが、ラスボスが目の前に初めから存在している作品はこれが初めてです。度肝を抜かれました。普通ならラスボスって隠そうとしますよね? 期待感そがれるんじゃないかと思いますよね? でもそんな心配は杞憂でした。 最終目標が明らかになっているためなのか、主人公達がトライアンドエラーを繰り返し、試行錯誤している様子が手に取るように分かり、物語が進む毎に期待感は増して行く一方でした。 あと、魔法とソフトプログラムを融合させる斬新なアイデアが素晴らしい。エンジニアの私は随所に出てくる専門用語とロジック、技術にニヤニヤしながら読んでしまいました。 エンジニアだと三倍増しで楽しめる作品。私は大好物でした。もちろん普通に読んでも面白いです。