評価:★★★★☆ 3.5

 統一歴390年、それは今から30年ほど前。人族に従属していた亜人がついに一斉に蜂起した。彼らは人族の魔術を学び、技術を模倣し、文明を受け入れ、人族を追い越していたのだ。
 大陸にあった多くの人族の国は滅び、南方の族長連合、中央の王国、そして北方の帝国だけが残った。守勢に立った人族は、城郭都市を築きあげ、以後30年間、その残された版図を維持することに終始した。
 現代の人族の決戦兵器は城郭都市である。
 勇者がついに復活したと言われる今でさえ、それは揺らがない。
 勇者は時代遅れの決戦兵器、これは、そう呼ばれる時代の物語である。
 そんな時、族長連合では一年に一度の満月の日に、異世界よりの才能ある者を転生させる試みが始まった。18年前、17年前、16年前、15年前と4年連続で転生に成功させるしたものの、そのうち一名は有意な才能が認められず、記憶を封じられ、一族から追放された。
 猟師の息子として育ったパルシウスは、家族を失い、いつしか人族最強の城郭都市ホルゴスで、街を守る『影守』として、密偵や暗殺に従事するようになっていた。
 統一歴421年、パルシウスは、やってきた勇者の一行に密偵として潜入する。しかし、その一行とは、彼と前後して召喚された、勇者エンノ、戦姫ソディア、護姫シルディアの、かつての姉妹たちだった。勇者の仲間は、勇者の復活こそが人族の巻き返しの嚆矢とする陣法師コルン。イケメンだが、意味不明のことわざを連発する魔術師セウルギン。大柄で無口だが人が好過ぎる聖職者キーシルド。ドジでノロマなダメスカウト、ミュシファ。
 ホルゴスをめぐる策謀に気づいた勇者たちと、己がかつての兄弟であり、またその仲間を裏切っている密偵である、そういう秘密を抱えたままパルシウスは、仲間ととも暮らし、ホルゴスを救う戦いを繰り広げていく。

 



登場人物
主人公属性
職業・種族
  • 未登録

時代:
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録

注意:全年齢対象