評価:★★★★☆ 4.3
首藤狩也はその名前と、彼に関わった友人は例外なく首を刈られるに等しい目に遭う事から、首狩り族と呼ばれていた。不本意なその呼び名を作った元凶は唯一の友人、水鏡碧花。彼女こそ全ての黒幕。彼女の機嫌を損ねた人間は、別の意味で再起不能になる。その事実がすり替えられ、いつの間にか自分の噂となっていたのである。
彼女に関わったすべての人間は等しく最大の不幸に見舞われる。
「それはそうと、君。今回のテストは難しいよ? 私で良ければ教えてあげるけど、空いてるかい?」
自分以外は。
話数:全332話
ジャンル:ラブコメ
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
まずヤンデレ系の作品は基本シリアスとコメディでかなり距離が離れているコメディの方は非現実的や過剰な表現が出て来ても了承できるケースが結構あるが、シリアスの場合は「ヤンデレ」という、現実でそういう人がいてもあり得なくない形を現実で行える事があり得なくない形で表現されるものが多いというかそういう点をジャンルの魅力として活用するこの作品はその「ヤンデレ」という現実的な依存症と「怪異」と呼ぶ怪物や幽霊等の非現実的な存在が出会ってジャンルからして矛盾な作品として成り立っている矛盾、と聞くと一貫性を貫けず個性を発揮できない…と思いつくのが一般的だがこの作品の矛盾は、その「あり得ない」から「あり得る」という個性と、物語の進む中でずっと登場人物が一途に相手を思うという一貫性、そして「矛盾」している点を物語終盤では登場人物自らが指摘するという展開が噛み合って魅力的に消化している
生まれ持った不運とそのお人好しの性格から、悪意を持った人間を引き寄せやすい主人公とそんな彼を守るため巷の都市伝説等を利用し、それらの人間を密かに排除し続けるヒロイン。あえてジャンル分けするなら、伝奇系サイコホラーサスペンスになるのでしょうがこの作品の本質は決してそこではなく、ある二人の少年少女の一途で純粋な愛の物語です。テンプレのなろう小説に食傷気味な方には、特にオススメです。
主人公が別のヒロインと仲良くして、ヤンデレヒロインが発狂して、修羅場と化し、それを諌めてENDに向かう、そんなヤンデレ物に飽き飽きしていた。好き♡好き♡を連呼するメンヘラ自己中ではなく、主人公の幸福を第一に暗躍するヤンデレヒロインを誰もが待ち望んでいたのではないか。『黒幕系彼女が俺を離してくれない』を読め。ヤンデレしながら、クーデレでもある、最強ヒロインがここにいる。巷に跋扈するヤンデレの誰が、黒幕系ヒロインに敵うのか(いや敵うまい)。また、この作品はヒロインの魅力もさることながら、「怪異」という要素を組み込むことで、異色な仕上がりになっている。登場人物たちは都市伝説や怪奇と対峙し、物語は夢か現か怪異か人かも曖昧になっていく。ミステリアスな世界観と黒幕系ヒロインが掛け合わさり、面白さの相乗効果を生んでいる稀有な作品だ。とりあえず、『黒幕系彼女が俺を離してくれない』を読め。
読みごたえを求めるならオススメです。「怒涛」という表現がこれほど似合う作品は探すのになかなか苦労するはず。ストーリーの圧でしょうか、それともヒロインが作りだす圧でしょうか何かに圧迫されながらページをめくらされる、そんな感覚です。圧から解放された後の、ふとしたヒロインと主人公の日常の描写は実はこの作品の一番のお気に入りの部分。
“これほどまでにしっかりとした作品は多くないだろう。文才溢れるこの作品には””飽き””という物を感じさせられなかった。ヒロインの圧倒的黒幕感。悪運の持ち主である主人公とその周りに集う一癖ある登場人物。どれも魅力的であり、そして感情移入せざるをえない完成度のキャラクター。想いに悩み、葛藤する主人公。その裏で暗躍し続けるヒロイン。””首狩り””と呼ばれるが故に巻き込まれていく様々な事件。学校一の美女であり、唯一の友達でもあるヒロインと主人公を中心に展開されていく、悪意絡まるLove Story。次々と現れる不思議な登場人物たちと、怒涛のように繰り広げられる物語には度肝を抜かれるだろう。何が真実で、何が本物なのか?それを知るにはぜひ貴方の目で、確かめてほしい。”