人のうらやむもの、すべてを持っているはずの男、石倉良。
優れた頭脳、素晴らしい家柄、あり余る財。
だがそれは、かれの重い枷にしかならなかった。主要登場人物紹介
・石倉良……石倉海運社長。旧華族の家に生まれるが、没落して並々ならぬ苦労をする。「本家」の長男ということもあり、分家たる五百旗頭家を監督する立場になる。五百旗頭波留の後見人として、五百旗頭養蚕の社長職にも以前就いていた。料理が得意。派手さはないが、落ち着いた、甘いマスクの上品な美男子。あだ名はサブマリン。
・五百旗頭波留……五百旗頭家の跡取り。女子しか同世代に生まれなかったため、結果としてそうなってしまった。はとこの石倉良と瓜二つの風貌。文学部史学科の学生。
・石倉眞波……旧姓・五百旗頭。波留のいとこで、石倉良の妻。スーパーモデル級の途方もない美人。スカウトと縁談を断った数が尋常ではない。学芸員の資格を持つ。石倉海運専務。
・森行夫……海運協会会長。森回漕船会長。業界のドン。面倒見が良く、人情味あふれる心優しい男。かなりの人望がある。石倉良のことをひどくかわいがっている。
・秋本太陽……五百旗頭養蚕社長。一族外で、五百旗頭グループ本部であるこの会社の社長が務まり、問題なく取りまとめてしまうほど有能。森回漕船出身。石倉良に心酔している。たれ目でたれ眉。いつもは目元を主張の強い眼鏡で隠している。
・五百旗頭長一郎……イオ財団ならびにイオ学園理事長。チャリティーに心血を注ぐ。波留の父だが、ある事件によってその親権を喪失させられる。裏表があり、石倉良とは仲が悪い。
・五百旗頭欣二……ホテル・イオグループ社長。長一郎の弟で、眞波とさなえの父。常に奇抜なデザインの服を着ている。かなりの切れ者。渋く、セクシーな魅力に満ち溢れている。
・五百旗頭さなえ……アパレルブランド、アルティオをプロデュースしている。業績はパッとしない。欣二の娘で、眞波の妹。
・東知之……アズマ・マリンレジャー社長。有能だが権高な人物。息子の翔太郎と一緒に、五百旗頭長一郎たちと親しい付き合いをもつ。
・大鳥哲人……文科省副大臣。息子の蔵人の縁談に注力する。
(LINEノベルに同タイトルで投稿しています)
澪標
完結日:2019年8月29日
作者:森のがねぶ.
評価:★★★★☆ 4
話数:全34話
ジャンル:純文学
時代:現代
舞台:未登録
注意:R15