メリリース・スペンサーの苦難の日々

本作は『なまこ×ドリル』と言う作品のスピンオフ。主人公、メリリース・スペンサーは魔術学校において魔術制御に長け、座学の成績上位の才女であるが、反面最底辺の魔力しか持ち合わせておらず、周囲からはやっかみを込めて落ちこぼれと嘲笑されてしまっている。その魔力のせいで彼女が契約出来たのは、役に立つとは思えないとても小さな蜘蛛だった。しかし彼女はある事に気付き――主人公が勝つために自らの頭脳と努力を惜しまない姿はとても好感を持て、誰にも媚びず真っ直ぐと進んで行く姿は惚れ惚れとします。練りこまれた世界観、戦闘、恋愛要素をわずか一万八千と言う文字数に抑え込んだ素晴らしい作品ですので、ご一読ください。―最後に、使い魔の蜘蛛が最高に可愛いです。

さてな皆さんお立ち会い！ こちらにおわすクールな美女は、魔力に乏しい落ちこぼれ！ されどもけして諦めぬ、熱き心を持つ乙女！ 小さな蜘蛛をお供とし、不屈と工夫で勝利を掴む！ 最弱無敵のメリリース嬢その人です！ されど彼女の叡智を持てど、理解に苦しむ感情がございます。 それこそが愛！ それこそが恋！ どんな術式にも当てはまらぬ、難解極まるこの問題。彼女を生涯愛すと誓う、男の瞳に照れは無し。 言うならば真っ直ぐな鋼の刃！ 対するメリリース嬢もまた刃なれば！ ならばならば、想いをぶつけ打ち付け合うに、何を躊躇う事がございましょうや！ さぁさご両人をご覧あれ！ 熱き血潮を力に変えて、快刀乱麻に全てを穿つ！ 意地と想いのぶつかり合いが、幕を上げてございます！ 客席はここに！ 菓子は売店に！ 飲み物は無料にて！ あまりの熱さに喉も枯れましょう！ 結末は、己の目で！

世の恋愛小説は……①互いを意識②障害を越えて惹き合う③結ばれる。ざっくり言えばそんな感じだ。 この作品も同じだが、主人公のメリリース・スペンサーに甘ったるい進展は皆無。【成績は優秀な】彼女は序盤から運に見放されながら、己の知力のみで魔術師試験と障害を乗り越える。ただ、ひたすらに高みを目指して。 「では、恋愛ジャンルじゃないでしょ？」 まぁ待て。メリリースは自らの乏しい魔力に苦慮しながらも様々に策を練り、真剣勝負の戦闘試験に臨む。彼女の味方は共に歩む使い魔の蜘蛛と、陰から見守る幼馴染み……それだけ。 ①と②はさておき……③は？ 最後まで読めば判る。そして貴方は必ず納得し、その結末に芯の強いメリリース流の美学を感じるだろう。甘えと依存しか存在しない、人工甘味料臭い恋愛とは違う、異世界でのリアルな戦いの狭間に揺れ動く心の兆し。 さぁ、貴方も運命の糸を手繰り寄せてみよう！

異色の戦うシンデレラストーリー、メリリースの大活躍。魔女の助けなんていらない、メリリースは聡く、強い人だから。出身が不遇だろうと、魔力が低かろうと、灰被りのままでは終わらない。王子様に残されたのはガラスの靴じゃない。もっともっと細くて小さな、意識しないと気付けない手がかり。メリリースは王子様が迎えに来るのを待ったりしない。そのあまりにも幻想的で力強いラストシーンは一読の価値あり。さて、私には迫力のラストよりももっとお気に入りなシーンがある。メリリースのピンチにヒーローが駆けつけて一言。「貴様らが、〇〇〇〇〇〇、傷つけたのか？」ヒーローのあまりにも真っ直ぐなそのセリフと、その後のメリリースを、どうかアナタの目で確認してほしい。

本作の何より凄いところは、１話の時点で息を吞むほど面白いのに、話数を重ねるごとにどんどんと面白くなっていくことです！エピローグを含め全６話の中編ですが、むしろ全６部の一大長編と言っても差し支えない傑作ですッ！騙されたと思って、先ずは１話だけでも読んでみてください。これが更に面白くなるのかと考えたら、ページをめくる手がとまらなくなるはず。最後まで読み終えた暁には、本物の感動があなたを包むことでしょう。そしてこうも思うはずです。――蜘蛛が可愛い。そんな、蜘蛛が可愛く思える訳ないだろうと鼻で笑ったそこのあなた！その台詞は、本作を読み終えた後にまた聞かせていただきますよ（不敵な笑み）。本作に興味を持たれた方は、世界観を共有している『なまこ×どりる』という作品もオススメいたします。本作を読んでからなまこ×どりるを読めば、あっと驚く展開があなたを待っています。

アラクネの放漫とは程遠く。生真面目なメリリースの召喚に応じるは、ごく小さな蜘蛛。ラーニョと名付けるもおざなりの、か弱き小さな使い魔。滅法聡明な彼女。だけど魔力がぎりぎりの魔術師見習い。抜き差しならぬ実技の試験。さてどうするか。この物語は同じ作者様の連載物語、なまこ×どりるのスピンオフ。とてつもない強さを愛でる。これもまた楽しい。このような目に映える強さを持たぬメリーさん。冷徹に物事の本質を突いて進む彼女。ガツンと窮地にも落とされるけれど。付き添うは、やはり異世界恋愛の花形。よく練られた内容。この物語がほぼリアルタイムで紡がれたとは驚く。さあ。この彼女の一風変わった恋の物語。暖炉の傍にて紅茶と共にゆるりと紐解かれみては。

ナマコドリルのスピンオフ作品「ナマコドリルなにそれ？」「作者名が読めんｗ」とのツッコミはさておき……「七福神の中にインド人が３人いるよ」の奇才が贈る、この秋最高の恋愛物語。メリーとエリオットの青春ファンタジー短い中に愛・勇気・知恵・戦闘、全てが詰まったこの一作。「きゅんきゅん」しながらあっという間に読み切ってしまう事、間違いなし！！！！さぁ！！ 読みましょう！！

“本作の主人公、メリリース・スペンサーは強い芯を持った、強い女性です。魔術ありきの学校において、彼女の魔力容量は同世代の中でも下の方……見下す生徒たちも出てくる始末。そんな状況でも弛まぬ努力を惜しまぬから、座学の成績はトップクラス。それがまた、他の生徒たちのやっかみを受けることに繋がってきます。それでもメリリース・スペンサーは折れない。自分の中に周囲に左右されない””強さ””を持っているから――。そんな強い女生徒が織りなす学園ファンタジー……と思いきや、なんとこの作品！ 異世界恋愛モノなのです( *´艸｀)いるんです……料理も出来、勉強もでき、そして不得手な魔術戦においても知略で抜け切る強さを持つ彼女と、並び立とうとする王子様が！ふふふ、是非、本作を見ていただき、彼女たちの恋愛模様を堪能してみてください(*´꒳`*)本編なまこ×どりるも宜しくね♪”

緻密に織られたファンタジー。とある世界の魔術学校で繰り広げられる、魔術バトルと恋のお話です。ヒロインは優等生ですが、絶望的なほど魔力がありません。バトルに先じて契約できる使い魔は、小さな蜘蛛。しかし、彼女は諦めず、勝利のために手を尽くします。そんなヒロインを見守るヒーローは、全てを持っている王子タイプ。けれども、魔術に関して、ヒロインに手を貸すことも、安易な励ましや慰めを口にすることもありません。ヒロインより圧倒的に優位であるにも関わらず、ヒロインを対等の立場として認め、その知性と努力に敬意を払っているのです。それゆえに、このお話は、恋愛ものにも関わらず、むしろビターでスパイシー。恋愛ものが苦手な人でも、爽快感をもって読み進められるでしょう。そして、読了後は……彼らの言動の端々に込められた強烈な甘みに悶絶していることでしょう。本編の『なまこ×どりる』もオススメです。