評価:★★★★☆ 4.4
努力に裏切られ、故郷は滅び、仲間は死に、恋人は死んだ。いっそ世界よ滅べと願っても、彼は不幸にも不死身であった。
不死身なので死ねない。不死身なだけなので勝てない相手には勝てない。だが不死身なので負けることもない。
爆弾を抱えて敵陣へ突っ込み、毒物も強酸も飲んで処理し、囮にされ、薬に頼り、傷つけられ、嘲られ、それでも彼は生きている。
これはただ不死身なだけの、凡庸な、世界と努力と自分に絶望した人間が、泥仕合の果てに一矢報いる話。
*主人公がしょっちゅうスプラッタになります。ご注意ください。*!!!本作並びに同作者の全著作物について、外国語への翻訳を禁止しています。既に掲載している無断翻訳物については削除をお願いします!!!
話数:全454話
ジャンル:異世界ファンタジー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:ダーク
展開:未登録
ある事件を経て、不死の体を得た主人公ジェット。 愛する人を失い、剣の才能も、魔法の才能もなかった彼は、不死身の力だけを手に、体を何度も千々に裂かれながらも、狂ったように魔獣を狩り続ける。 これは、そんなジェットが、仲間を得て冒険をし、世界の真実を知り、「生きる」までのお話。 濃密なストーリー、巧みな演出や伏線、個性豊かで様々な思いや願いを持つキャラクターたちが生き生きと動き、絶望的に思える相手に立ち向かう。 その中で、それぞれに変化し、成長していく姿は、私をぐっと世界観とキャラクターに引き込んでくれました。 この作品には、物書きとして見習いたい部分が多くあります。 これからの冬、寒くて眠れない夜には、残酷かつ、理不尽な様に見えて、心の底から温かいこのお話を読んでみるのはいかがでしょうか。
死なない体故に虚無の中で生きる男と、強すぎる野心と才能を持ちながら、燻っていた傲慢な男。旅路の中でお互いに依存しながら、じわじわと成長して行く様が面白く、深く胸を打つダークファンタジー。二人の周りに集まって行く個性的で魅力的な仲間達も皆、何かが欠けていながら少しずつ何かに気付き、お互いを埋めて行く。そんな彼らが立ち向かう相手は、無慈悲で理不尽。幾多の魔王。紐解かれて行く世界の仕組みは最悪のマッチポンプ…。進む先がどんな暗闇でもなお、顔を上げて前を向こうとする彼らの歩みと共に、読み進めずにはいられない! 寝不足注意。
この物語の主人公は、不死身です。ですが、それだけです。弱く、不器用な、凡人です。そんな彼が、傲慢な騎士や、神を信じない聖女といった癖のある仲間たちと出会うところから物語は始まります。主人公も自暴自棄で割とどうしようもないのですが、そこまで不快にはなりません。それはきっと、彼らが根っこの部分では善人だからでしょう。そういった面もしっかり描かれているので、ストレス無く読めると思います。注意点として、設定や描写から誤解するかもしれませんが、世界観は王道です。剣と魔法の世界で、勇者と魔王がいます。(この作品の「勇者と魔王」はまた別の意味を持つのですが…)また、一章は男の二人旅という珍しい展開ですが、二章以降はキャラも増えていくので…。既に完結していますが、一気読みはせず時間をかけて読むことをお勧めします。その結末と、タイトルの意味に心を揺さぶられることは間違いないでしょう。
すごく練られた構成で、丁寧に書かれている印象です!ちゃんと完結させる事が意識された書き方で、そこらに溢れている勢いだけで途中からグダグダになる作品とは一線を画します。盛り上げ方も最高で、三回ほど泣きそうになりましたよ!ここに描いて皆さんと共感したいですが、我慢します。作者様には、この様な作品をかなりの執筆ペースで書いて、尚且つ完結させていただいた事には感謝しかありません。異世界転生やチート物には無い感動が有りますので、是非是非読んで下さい。絶対に損は無いです!!!
このお話は、不死身だけれど凡才な主人公と名声のために戦う騎士様や、やはり癖のある仲間たちが魔王と勇者の謎を追って旅する物語です。そして、このお話は、手に汗握るような熱い展開の宝庫のようなお話でもあります。主人公は不死身ですが、それ以外に特出した能力があるわけではありません。仲間たちもやはり、強くはありますが、勇者のように圧倒的な力を持っているわけではありません。しかし敵は、圧倒的です。数が多かったり、大きかったり、能力が突出していたり、そもそも殺すことができるかわからない敵まで出てきます。そのため、それに対する戦い方はあまりスマートではなく、なんなら泥臭いくらいです。ただ、そこが魅力なのです。泥臭く時間を稼いでいる間に策を練り、強大な敵を打ち倒すその熱さと言ったら!強大な敵に、共闘や知略で勝つ主人公たちは本当にかっこいいです。ぜひお読みください!
これは不死だけが取り柄の亡国の兵士名声を欲する欲深い貴族神を信じない邪道聖女禁呪を使う国から追われる魔法使い一癖も二癖もあるメンバーが出会い旅をしているうちに、ときに面倒ごとに巻き込まれたり、ときに首を突っ込んだりして魔王の謎に迫っていく物語である。最初は2人だけだったのが、そこに1人また1人と章ごとに旅の仲間が増えていくという展開が言葉に言い表せない良さがありました!基本的にどの章も日常的な場面から事件が起きて戦闘する場面まで綺麗にまとめられていますし、行動目的がはっきりしていてテンポも良いため読みやすいと思います!個人的には名声欲の強い貴族であるオーガスというキャラが仲間と出会ったことで少しずつ変わっていくところが良いですし、流星という泣けるお話もあるのでオススメです!邪道な者たちがゆく王道ファンタジー、是非一度読んでみてください!
みなさんは生きることに足掻くことはありますか?この作品は不死身の主人公が、敵を倒すために、足掻いて足掻いて、足掻きまくって、諦めないで立ち向かう物語です。少年漫画のような物語。私は好きです。これは独自の見解で見ていたのですが……不死身だから死なないけど、何回も死ぬ思いをしてでも立ち上がる主人公の強いメンタルも、見どころだと思います。ぜひ読んでみてください。きっと、一歩前に進む勇気をもらえると思います。
健全で優しくて強くて皆に愛される勇者。この小説の勇者は最近のなろうに多い外道勇者と違う、本当の勇者だ。でも、そんな光の道を素直に歩けない人もいる。その強さに、正しさに、嫉妬と羨望をいだいてしまう。そんな時、あなたならどうする?足を引っ張る?罠にはめる?悪い噂を流す?これは勇者を出し抜いて魔を祓う、はみ出し者たちの物語である。この小説の主人公は普通なら気が狂っている。いや、一周まわってマトモに見えるだけの狂人かも知れない。彼は兵士に毛が生えたくらいの強さしかない。その彼が何度も何度も死んで生き返って魔物を殺す。ちょっとしたホラーだスプラッタだグロだ。切られ燃やされ溺れ細切れ潰され灰にされ。さぁさ殺しの手口を並べ揃えてご覧あれ。そんな主人公と手を組んだ者たちも、殺されかけたりしたはんぱ者ばかりだ。愛すべき彼らのギリギリの戦いを是非読んで欲しい
足掻く主人公はお好きですか。敵に一撃いれる間にフルボッコにされ、それでも立ち上がる。あきらめない、足掻き続ける主人公です。王道ですよね。そこだけ抜粋すると、熱血ラノベ主人公の王道ですよね。しかし困ったことにこの主人公、グロいという追加属性があります。敵に一撃いれる間にフルボッコにされるだけでなく、手足を切り落とされたり潰されたり、焼かれたり細切れになったり埋められたり……。とにかく無残な姿をさらしてくれます。しかも自分の体を道具のように扱うので、死ぬことに躊躇が見られません。穏やかな顔で自分をえさにする提案をしてみたり、確実に死ぬところへ何気なく向かったり。いつだってスプラッタですが、彼は死にません。死ねません。死なないことを武器に戦う彼と、その道中で仲間になるひと癖もふた癖もある者たちの、王道ではないけれど芯のある生き様を応援したい。そんな気持ちにさせてくれる良作です。