六人姉妹の長女で有名大学の教育学部を卒業して教師をしていたら、
両親は、「おまえが片付かないと妹も片付かないから……」と言われて、見合いをさせられて
「僕は実業家です」という中年のハゲおやじ、やたら羽振りがいい。両親にも高価な贈り物攻め。
やたら羽振りの良い話ばかりして、両親が、「この男に決めなさい!!」の神押しされて
……とうとう、優柔不断な状況で、押し切られて、結婚を承知してしまいました。
「結婚したら、きみも事業を手伝って欲しい」と言われて、すっかり持ち上げられて、その気になって
「私も頑張るわー!」とか、中年ハゲの夫に、張り切って返事しました……
そして結婚してみたら
そしたら……夫のやってる事業というのは……娼婦宿だったのです。
それから20年。離婚もせず、夫の事業を……娼婦宿を手伝い、すっかり娼婦宿の女将になってしまったけど、
夫がいきなり心臓麻痺で死んでしまいました。子供はできなかった。それで、その娼婦宿を、直ぐ、すっかり売り払い、そこそこのお金を手に入れたので、
教師の経歴を生かして、寄宿制の中高一貫校を始ることに決めました。
子供もいないので、旧姓に返り……前の名前では
「娼婦宿の女将」として遊び人の男性には結構有名になっていたので
……学園の経営者=教育者になるには、少し、イメージが良くありませんから。
で、いま私の名前は、イライザ・ミンチン・ロッテンマイヤーです。
ファンタジー世界の王都の郊外で、寄宿制の中高一貫校の学校を初めて開校します。
43歳のイライザ、わたしに、どんな新しい人生が開けるのか?
「生徒募集で、学校は何にしよう? どういう学校にしょうか?」と近くに住む妹に相談しました。
「共学校? 女子校? 男子校?」と妹が聞きますが、まだ決めてません。
取り敢えず、由緒ある貴族の古い大きな洋館を買い取りました。
その建物で運営することにします。
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