空の青に足りない。 完結日:2019年11月2日 作者:つこさん。 評価:★★★★☆ 4.2「ごめんなさい」 メッセージは、その件名で終わっている。 二ヶ月前の日付を刻んで、凌(しのぐ)をそこに置き去りにした。 二人の間は、恋にはならなかった。 凌がひとり、空回りしただけ。 「インド人とウニ企画」参加作品です。 (※1話目と最終話に、いただいたファンアートを挿入しています。) 話数:全11話 ジャンル:純文学 青春 登場人物 主人公属性 男主人公 職業・種族 未登録 時代:現代 舞台:未登録 雰囲気:シリアス 展開:未登録 その他要素 サブタイトルェ… タイトル回収やったぜ でもがんばってかいた ビターエンド 悲恋 正直すまんと思ってる 注意:全年齢対象 なろうで小説を読む
異文化理解、という言葉は、最近使われなくなった。現代は、ネットで簡単に世界中の人とつながれるからだと思う。敢えて理解すべき異文化など、どこにあるのだろうか?それに『理解』しあえる仲間だけとの交流で、人間関係は十分に満足できる。恋だってできる。しかし、その恋の行方は簡単ではないのかもしれない。本編の主人公・凌はSNSで知り合った『ダーシャ』に恋をし、その地元インドのナガランド州へ行く。アジアで最も長く独立戦争が続く地。昔、日本兵が激戦の果てに倒れた地。今も残る差別。親日の住民。ナガランドについて凌がSNSの『ダーシャ』から聞いていた情報は、しかし、現実のナガランドには全く足りないものだった。それに気付いた時、凌の恋は本当に始まったのだと思う。いつか、凌の想いがナガランドの青い空と、その下に住む『ダーシャ』に届くように。そう願いつつ、本編の行く末を見守りたい。
レビュータイトルは本作品の中の一文です。泣きたくなるような切なさ・虚しさ、それでも消せない愛しさが凝縮した一文です。主人公の凌……HN『のぐ』は、ネットの中で出会った『ダーシャ』と名乗っているインド人女性に惹かれる。やり取りをするうち、凌の中で『ダーシャ』への気持ちが恋と呼べるものへと育ってゆく。しかしそれは、『ダーシャ』が望む形ではなかった。別れを告げられ、凌は独りインドへ行く。わずかな手がかりをたどり、リアルに『ダーシャ』と会う為に。異性だから、外国人だから、というだけでなく。人と人との間にある思いや感覚に、哀しいかな、完全な一致は有り得ない。心柔らかな青春時代に、それを痛感する為……人は、恋をするのかもしれない。