評価:★★★★★ 4.5
昔、あるところに一羽の美しいはちどりがおりました。
誰からも愛されていた、はちどりでしたが……。
その関心は、自分の美しさでも、他者への慈しみでもありませんでした。そんなはちどりが、追い求めていたものとは――。
宝石箱を開けること。それがあの子の生きる全て。
目には見えない、触れることも出来ない、本当の「ギフト」の物語。
話数:全3話
ジャンル:童話
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
その他要素
注意:全年齢対象
本当に大切なものって、一体何なのでしょう。家族? 友達? 勉強? 仕事? それとも趣味?他人に理解されないことであっても、自分にとってはかけがえのないものであるというのは、よくあること。何を差し置いても、それを優先するべきなのか。正直悩むことも多いはずです。本作品の主人公は、誰よりも美しいはちどり。はちどりは多くのものに愛されています。けれど、そんなはちどりが気にかけていたのは、ただひとつ。自身の鳥かごの横に置かれた、きらびやかな宝石箱のことだけだったのです。はちどりは宝石箱の中身をこの目にするため、鍵を探しに外の世界へ飛び立つのですが……。もしもある日突然、「真実」に気がついたとしたら。かつて大切にしていたものは、まがい物ということになってしまうのでしょうか。今までかけた労力や時間は無駄にしかならないのでしょうか。大人になった今だからこそ、じっくりと読みたい童話です。
童話なのだから子供に響くのは当たり前。でも、本作が凄いのは大人だから理解出来る仕掛けが散りばめられてて、きっと親子で楽しめる。むしろ、大人ほど泣いちゃうんじゃないだろか?宝箱の中に、あなたと子供達にとって大切な宝となる絆が見つかるハズ。とっても、と〜ってもイイ話。10分程度で読めて、その10分が、ずっと、ず〜っと、永らくあなたの心の宝になるなら、こんなにお得な事はありませんよ!ちょっとだけで良いから、騙されたと思って読んでみましょ?10分だけ!ね?絵付きの書籍化された本作が見たい。その微力になればと思い、初めてレビューを書いてます。時折、こんな原石に出会えるから「なろう」で彷徨うんです。皆さんもそうでしょ?
エメラルド色の羽根が美しい「はちどり」は、ただひとつのものに焦がれていた。それは宝石箱をあけるための鍵。鍵をさがして「はちどり」は旅に出る。家族のことも仲間のことも気にかけず、自分の望みだけをひたすら胸に抱きしめて。そんな「はちどり」が最後にみつけた、本当に大事なものとは──?一読して登場人物たちの心の触れあいに感動し、再読して文章の上手さ、織りなされるイメージの豊かさに圧倒されました。この作品には、上質の童話に必要なすべてのものが詰まっています。「はちどり」に託された普遍的なテーマが、選び抜かれた言葉でやさしく、しかも可愛らしく綴られて、読者の心を離しません。美しい宝石箱をそっとあけてみるように、ぜひページをひらいてみてください。