評価:★★☆☆☆ 1.8

 遥かな未来、魂を物質化し、身体をナノマシンにて構成する事で死や寿命の枷から逃れたヒトが暮らす世界。半永久的な活動時間を得る代わりに新たな生命が誕生しなくなった。
 ある研究所で一つの実験が行われた。魂を物質として固着させるための作業である。
 その作業により魂に内包されていた特性が表面化、解き放たれた魔獣による破壊で、一人の赤子と博士を残して壊滅するという事態に陥る。
 それは世界に生まれた最後の魂に訪れる受難の始まりだった。
 ひと月程で急速成長させられた赤子は戦地へ送られた。身なりは16歳程の少年、しかしその心は未熟で定まらない。降り立った地で二人の少女と出会う。
 止まってしまった魂の流れを再び行おうとする魔導士と呼ばれる者たち、彼女らは少年を発見するや否や攻撃を開始する。
 大した能力も持たない少年は強大な力の前に成す術なく叩き伏せられていく。
 自分の消滅という恐怖が迫った瞬間、感情が限界を超え暴走を引き起こした。
 残ったのは黄昏色に染まった空と大地、穿つようにあけられた大穴だけだった。
 国どころか大陸そのものにまで及ぶ被害結果を見ていた統率者達は少年の破壊を決断。
 生みの親である博士共々、研究施設に幽閉し実行の為に力を蓄える。
 その行為を先読みしていた博士は少年を別世界へ逃亡させる為に奔走する。
 自らの存在を消滅させてまで少年を案じた博士は統率者達を出し抜き別世界への転移を成功させる。
 転移した世界は科学が発展しない代わりに魔導技術が一般へと浸透した世界。
 目の前で博士を失ったショックで少年は自らの記憶を封じてしまう。
 そこで綾香という一人の少女と出会った。転移前の世界で少年を消し去ろうとした少女と同じ姿、記憶にアクセス出来ない状態であっても恐怖そのものは身体にしみついており拒絶反応を見せる。
 しかし、綾香が見せた何気ない表情の一つが彼の心を動かし、促されるよう彼女に連れられた。少女と出会い普通の暮らしを知る事で次第に人の表情へと興味を示していく少年。
しかし、彼を消去しようと現れた追撃者によって戦いへと巻き込まれていく……。


話数:全7話
ジャンル:  

登場人物
主人公属性
  • 未登録
職業・種族

雰囲気:
展開:未登録

その他要素