評価:★★★☆☆ 3
一九五五年(昭和三十年)生まれの大空は、当時の名前としては珍しく、『だいすけ』と読んだ。幼いころから、名前に触れられることがいやで、隠れるように生きてきた。大人になって、イースター島のモアイ像を知り、周りの誰からの干渉も拒むように、立ち続けているモアイが、自分と似ていると思う。以来、幻となって、かたわらにモアイがいるようになる。
一九九八年(平成十年)、四十三歳となった、大空は愛田(あいた)県の県職員として、県南部の御背(おぜ)地区に赴任している。桜ケ丘(さくらがおか)の実家に、年老いた母親をひとりで残しているのが気がかりだ
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象