評価:★★★★☆ 3.8
私、転生した今や子爵令嬢さまであるが、転生前と変わらずにそれ程パッとしない外見の十八歳の少女である。
女学校を卒業式したばかりのとある日に、両親によって婚約を聞かされてしまった。
というか、婚約者のいる星へ放り込まれたと言ってよい。
父としては子爵でしかない我が家が公爵家の四男、それも植民星を領地に持つという富豪に出来損ないの娘が嫁げる事こそ最高の出来事で、これを死守しなければなら無いという事らしいが、実際は首都星ギルガメシュから果てしなく遠い辺境の地に嫁ぎたくないといううら若き令嬢様から悉くお断りを受けたところに父が私をねじ込んだだけの話である。
「頑張れよ!私達の為に!」
そんな送り出しの言葉を受けた者ならば、決して出戻りなど許されない。
私は暗澹たる気持ちで宇宙港に降り立った。
婚約者の待つ星グリロタルパにて、私を待っていたのは多忙な婚約者の代わりの者で、グリロタルパの保安官なのだという。
どうしよう。
あなた、私のど真ん中よ。
注意:全年齢対象