評価:★★★☆☆ 2.5
女心と秋の空、なんてよく言ったものだ。
秋を迎えて少し経った頃、何の前触れもなく、幸せが笑顔で手を振りながら俺の元を去っていった。数時間前のことだ。
今は、帰りに買った缶コーヒーを持ってベランダに出たところ。
煽るように響くパラリラにイラつきながら、プルタブと格闘していると……隣から、すぐ横の薄い仕切り板の向こうから、聞き慣れたいつもの声が傷心の俺へと届けられる。
「なんか荒れてると思ったら、次はため息? 忙しいねー、今日のキミは」
「……香奈さん、居たんすか」
「……で? どうしたの? ほら、お姉さんに話してみ?」
どうやら、今日は香奈さんが聞き役をしくれるらしい。お気に入りの、ぶどうサワーを片手に。*ベランダでの二人の、薄い仕切り越しのやりとりを書きました。一人称小説です。
序盤はややコメディ寄りに、後半に向けて少しずつ恋愛色を濃くしていきたいと思います。
よろしくお願いします!
※カクヨム様、ノベルアップ+様にも掲載しています。
時代:現代
舞台:未登録
注意:全年齢対象