ジャンル: 純文学
白玉か何ぞと人の問ひしとき
評価:★★★★★ 4.5(5)
想い出はどんなに些細な物であっても、触れた途端に奔流となって胸を流れる。 熊本城の天守閣を背景にして、佇む二人の写真。身を切る寒さに包まれた、高校三年の冬―― 『ねぇ譲、もし私が……』 そう彼女に尋ねられた時、僕は […]
聖女の励ましは今も生きている【長編版】
評価:★★★★☆ 4.2(3)
メロの唄には不思議な力があった。 彼女が唄うと、空は天使の梯子がかかり、人々を励ます。 聞いたものは元気付けられ、笑顔になる。 その唄をいつも側で聞いていたのは幼なじみのディーンだった。 しかし、二人が暮らす土地に領主の […]
緩慢な表象と虚ろな幻想
評価:★★★★☆ 4.4(2)
遠くて近い未来、職業作家は姿を消した。国民は一生に一冊の本を出版することが義務付けられ、だが二冊目は許されない。本屋に並ぶ本は、全て誰かの一生に一冊だ。―――― どこまでも自由で、不自由な時代、言葉を惜しむ僕と、物語を愛 […]