パスタイム

ジャンル: 純文学

王妃レオノーラ

評価:★★★★☆ 4.3(5)
これは悲劇か。それとも喜劇なのか。 ヴェストリア国王の重臣の娘にして侯爵家の令嬢でもあるレオノーラは、半年前から王太子エリオットの正式な婚約者だった。ところがある日、エリオットは国王とその廷臣らがそろっている場でレオノー […]

白玉か何ぞと人の問ひしとき

評価:★★★★★ 4.5(5)
 想い出はどんなに些細な物であっても、触れた途端に奔流となって胸を流れる。  熊本城の天守閣を背景にして、佇む二人の写真。身を切る寒さに包まれた、高校三年の冬―― 『ねぇ譲、もし私が……』  そう彼女に尋ねられた時、僕は […]

東京沙漠

評価:★★★★☆ 4.1(4)
 文明の滅び去った遠い未来、東京と云う名の沙漠があった。旧き時代の遺跡や廃墟を残して、砂に埋もれているこの大沙漠で、人びとはオアシスの基に、新宿、渋谷、池袋、六本木、秋葉原などの街並みを、復興させようとしていた。旧時代の […]

阿修羅

評価:★★★★☆ 4.4(4)
「阿修羅だわ」その言葉を最後に失踪した幼馴染。パリ帰りの画学生に、疑いを抱きつつ魅了されていく……独ではヒトラーが総統に、満州では溥儀が即位した昭和9年。女学生杏子の体験した淫靡な物語。

聖女の励ましは今も生きている【長編版】

評価:★★★★☆ 4.2(3)
メロの唄には不思議な力があった。 彼女が唄うと、空は天使の梯子がかかり、人々を励ます。 聞いたものは元気付けられ、笑顔になる。 その唄をいつも側で聞いていたのは幼なじみのディーンだった。 しかし、二人が暮らす土地に領主の […]

空の青に足りない。

評価:★★★★☆ 4.2(2)
「ごめんなさい」 メッセージは、その件名で終わっている。 二ヶ月前の日付を刻んで、凌(しのぐ)をそこに置き去りにした。 二人の間は、恋にはならなかった。 凌がひとり、空回りしただけ。 「インド人とウニ企画」参加作品です。 […]

素鼠色の街

評価:★★★★☆ 4.3(2)
その街は、何もかもが灰のような素鼠色だった。

俺と麻里と美しの夕の花

評価:★★★★☆ 4.1(2)
虹色薬局フォーアイ堂の店主は、風変わりなおばあちゃん。昔昔、魔法使いの国を飛び出したみそっかすの王女様がその正体。彼女の元にお客がやってきた。

緩慢な表象と虚ろな幻想

評価:★★★★☆ 4.4(2)
遠くて近い未来、職業作家は姿を消した。国民は一生に一冊の本を出版することが義務付けられ、だが二冊目は許されない。本屋に並ぶ本は、全て誰かの一生に一冊だ。―――― どこまでも自由で、不自由な時代、言葉を惜しむ僕と、物語を愛 […]

隣の座席~運命~

評価:★★★★☆ 4(2)
中田麻美は故郷に帰るべく新幹線に乗り込んだ。 その新幹線の車内で麻美は「運命の遭遇」することになる。