評価:★★★★☆ 4.4
広大なバストニア大陸、文化の異なる大小様々な国々がひしめき合い、幾度となく繰り返される戦乱。その中の一国、グイディシュ王国に、隣国のユストニア公国が鉱物資源の豊富なレルジアント地方に向けて進攻を開始した。
初戦を電撃的な勝利を重ね、高原地帯を駆け抜けたユストニア軍は、遂に平原へと戦いの場を移す。だが、そこで待っていたものは、補給を無視した総力戦による大敗北であった。
平原での戦いに敗北したユストニア軍は、確実な地盤を築くために再び高原地帯の未占領地の完全制圧へと乗り出していく……。
平原での戦いである初戦を勝利で飾ったグイディシュ王国軍の第六近衛師団所属の新任大隊長リオデ・J・ネイドは、大隊の新たな任務を命じられる。それは高原地帯で孤立した残存守備部隊の救出であった。
リオデはこの戦争の早期決着という志と、ある目的と想いを抱いて、東部・中央統合軍令部の命令の下、高原地帯の戦地へと向かうのだが……。*ジャンルとしては悲劇です。悲劇が苦手な方はお勧めできません。
*現在改行、及び、誤字脱字の修正作業中です。第一章の方は一応改行のみ、済みました。
今後も時間を見て、各章を改行させてもらいます。
話数:全27話
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:シリアス
展開:未登録
物語は、戦争によってほぼ全滅した村に主人公が訪れるシーンから始まり、そして戦争のシーンにおいても人の死を至る所に示しながら進んでゆく。そこにおいて作者は自らの倫理観を強要せず、あくまでも主人公の心情を淡々と綴っているように感じた。過剰な演出をしない事で、逆に悲劇性が浮き立っていた気がする。物語には映像的で映画のような流れがあって、それは心理描写というより、文章によって描かれる画を積み重ねて、そして、ある一枚の画を見せられた時に感じる余韻みたいな。かわいそう、悲しいね、だから戦争はいけない、みたいな、そういう安っぽい事じゃなくて、「それが何であるのか」という事を感じることが出来る気がする。そこから先は読者それぞれが感じることなのだろうと思う。もちろん、戦争における活劇は存在するし、ワクワクしながら読める要素はふんだんに盛り込まれてる。悲劇的要素が苦手でないかたオススメです。