評価:★★★★☆ 4.4
雨がしとしと降り注ぐ夜、大酉が店のドアを開けると、そこに少年が一人うずくまっていた。少年がゆっくりと大酉を見上げる。それは十三年前に死んだはずの少年だった。
和菓子の美味しい喫茶店、蜃気楼(かいやぐら)。店主の大酉と十五年前の『朝日奈一家事件』の関係とは……。
夢と現実が交錯する、ミステリーサスペンス『夢わたり』。大酉と鈴の出会いを描いた回想の第五弾。
【※この作品には挿絵があります。不要な方は機能をOFFにしてくださいますよう、お願いいたします】
話数:全32話
ジャンル:その他
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:残酷な描写あり
場所にも思い出がある。記憶がある。繋がってきたものがある。老婦には老婦の紡いできたものがある。老婦には孫が居た。そう、可愛い孫が。孫は少年となって、ある夢を楽しそうに話していた。此処にもまた、夢を持つ一人の青年が居る。夢を追ってひた走ってきた青年。ただ、夢を掴むために居た筈なのに。青年と少年の人生は此処で絡まり始めてしまう。そして、それは老婦とも。ひとつの大切な場所。老婦の、少年の、そして……。青年の人生が此処に絡まり落ちた事が、幸か不幸か……それは青年が決める事だ。「蜃気楼《かいやぐら》」願わくば、此処があなたにとっても大切な場所となりますように。※この作品「夢わたり その伍」からよりも、「夢わたり」から読み始める事をお勧めします。