評価:★★★★☆ 4.2
笑って誤魔化すのではなく、笑って騙す。絶対に剥がせない笑みを身につけた者は、知らず知らずのうちに相手の心を支配する。でないと、仮面の意味がないから。――ペンダントが描く歪んだ繋がり。猫の失踪と惨殺体、白く濁った両眼、二つの恋愛と二パックのたこ焼き。仮面が欲しいと望んだ夜、彼/彼女はとある高校生に出会う。
話数:全12話
ジャンル:ミステリー
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:ダーク
展開:未登録
JPFの評価ストーリー:5文章:5本作品は推理のジャンルに位置づけられているが、社会派の色が濃くにじみ出ている作品に仕上がっている。この物語は、社会の中で障害者というグループに属する人物にスポットが当てられている。そして、この作品の特筆すべき点は、物語の後半に出てくる手紙のなかで障害者の心情、苦悩がとても丁寧に描写されているところだ。マイノリティな集団に属するがゆえに、共感できる者と出会えない苦悩、奇異の目で見られる恥辱、障害を認めたくない想い。同じ悩みを抱える人物が出会うとき、物語は戦慄を覚えるほどのグロテスクなラストへと収束していく……読んでいて楽しい物語ではない。しかしそれでも私をひきつけた筆者様の力量には脱帽せざるを得ない。