評価:★★★★☆ 4.2
【2012.8.26/完結しました。ありがとうございました】「みんなが君を待っていたんだよ、愛しいアリス? さあ、一緒に悪夢を愉しもう」ある日ののどかな昼下がり。平和に終わるはずだった一日に突然飛び込んできたのは、白兎なんておかしな不確定要素。そしてそこから、平凡だった少女の運命は一転する――◇◆穴の底へと白兎にさらわれた少女は、100人目のアリスとして、《夢見の国》へと迎えられた。狂気という凶器、奇怪な住人たちが始まりを告げる理不尽なゲームを突き付けられて、少女はアリスとして白兎を追い掛け始める。回る歯車と、回されるぜんまいに踊らされ、錆びついた物語は大きく動き始めて……。おかしな住人たちと、アリスと呼ばれた少女が織り成す、不思議の国の物語。
雰囲気:シリアス
展開:未登録
注意:全年齢対象
「――兎の穴に――――少女は墜とされて――――アリスは白兎に追われる夢を見る――」そんな歌を聞いたありすは白兎に拐われ、目を覚ますと夢見の国に。そこでは皆が《アリス》を待っていた。始まる100回目のアリス奪い合いゲーム。狂愛と屈服の果てに待ち構えているのは死。それでもありすは白兎を探し、戦い続けます、ただこの国の呪いを解くために。ありすの真っ直ぐな気持ちや優しい心は私にエールを、刃物並みのツッコミの鋭さは笑いをもたらせてくれました。それでも最後は涙が止まらなくて。《願い》と《約束》が果たされたとき、終わらない夢を見ることが出来ました。たくさんのアリスパロがありますが、こんなに一生懸命で真っ直ぐな、読者に勇気をくれるような、アリスは初めてだと思います。笑いと涙無しでは読めない一押しのアリスパロです!