評価:★★★☆☆ 3.4
それはデスゲームでなければ駄目だった。
この世界での死が現実における死と直結するゲーム。《Garden》は世界初の仮想現実、そして人間の生死を実装した限りなくリアルなゲームだった。
魔物がいた。明確な人類の敵が存在する世界だ。異能があった。超能力や魔術、魔法を使える世界だ。救いがあった。洞窟を攻略、すなわちゲームをクリアすることが、Gardenから解放される唯一の術だ。
だから俺は戦った。デスゲーム宣言イベント以後、誰一人として犠牲者を出さずにゲームをクリアするために。打ち拉がれる人々を尻目に、俺は一人で洞窟攻略を始めた。「……ん」
隣を歩くのは、『消えた』一人の少女。俺の世界から消えたはずの、死んだはずの女の子。奇しくも、俺は死んだ人間にデスゲームで再会を果たした。「嫌だよ。私はこのままがいい」
何もせずとも日々の暮らしに困る事は無い。社会的ルールさえ守れば、自分の好きな事が出来る『ゲーム』の世界だ。完璧なまでのリアルな世界では、現実で不可能だった事も実現、それを体感出来る。このデスゲームは、失ったものを取り戻す、そんなゲームであるかもしれない。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録