評価:★★★☆☆ 3.4
世界は崩壊した。
自由と無秩序を履き違えた人間は己の築き上げてきた全てを壊し始めた。紫蘭の花言葉は、「あなたを忘れない」「お互い忘れないように」「変わらぬ愛」
彼はその名のように優しい歌を歌うその人を忘れなかった。愛し続けた。滅びゆく世界でもう一度、彼は『歌』に出逢う。※他個人サイトにSSとして同じ内容の作品が置いてあります。
時代:未登録
舞台:未登録
完結日:2012年8月11日
作者:祈緒
世界は崩壊した。
自由と無秩序を履き違えた人間は己の築き上げてきた全てを壊し始めた。紫蘭の花言葉は、「あなたを忘れない」「お互い忘れないように」「変わらぬ愛」
彼はその名のように優しい歌を歌うその人を忘れなかった。愛し続けた。滅びゆく世界でもう一度、彼は『歌』に出逢う。※他個人サイトにSSとして同じ内容の作品が置いてあります。
――悪戯に文明を進めた人間は力を手に入れた。力は武器であり薬であり、形は無限だった。―― 読者は冒頭から繰り広げられる独特な世界観に目を見張ることだろう。 目の前で愛する母親を奪われた少年シランの希望は、脳裏に残るただひとつの歌。 シランをつけ狙う、謎の銀髪男。 心を閉ざすシランに生きる意味を与えてくれた青年ギルドラ。 そして、廃墟で自分の名もわからず震えていた少年ヒヨ。 シランは思った――ヒヨはどこか昔の自分に似ている、と。気づけばかつてのギルドラ同様自分もまた、ヒヨに手を差しのべていた。 幾度もの出逢いと別れを繰り返しながら、シランはついに探し求めていた「歌」を見つける。 その果てにあったものは……。 先の読めない展開と、少年たちの生き様に惹きつけられること間違いなし。BLファンにも、そうでない方にもおすすめの一作。