評価:★☆☆☆☆ 0.5
「昨夜さ、急に目が覚めたんだよ」教室に到着したなり彼女のもとまで駆け寄ってきた彼は、彼女が嘴を挟む猶予も与えず話を続けた。彼の容貌は不潔そのものであり、彼はその不衛生さを自慢するかのように話しながら唾とフケを撒き散らかした。彼から産出される廃物を一身に受ける彼女はというと、不快な表情をするどころか一種の恍惚を顔に湛えて彼の話に熱心に耳を傾けていた。そのような二人を見つめるクラスメイトたちの視線には冷徹な蔑みがこめられていたが、それぞれに居場所を見出した彼らの心中に寂しさはもう存在していなかった。
話数:全7話
ジャンル:純文学
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
注意:全年齢対象