評価:★★★★☆ 4.1
前世の記憶。それは夢を通して伝えられる、過去の自分からの贈り物。世代を超えて伝えられる、忠告、運命、そして思い出。世界中の人々が必ず見るその記憶を、レオンはなぜか見られずにいた。そこで彼は冒険者になることを決意する。自分の魂を象る遺産、その場所を示すと言われている導きの妖精、カーバンクルに出会うために。世代を重ねる人間たちと、不死の存在であるカーバンクルが共存する世界。その中で成長していくレオンの物語。
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:ほのぼの
展開:未登録
注意:全年齢対象
完結して随分と立つのですが、レビューを書かせて頂きます。これは一人の少年の成長を描いた物語です。 世界を救うために旅に出るわけではありません。ある一つの街の中で作品は完結しています。 ですが世界が狭い訳ではありません。読み進めれば、街の中でありながらその世界が、大きな広がりを持っていることが分かります。 舞台となる街に住む、明るく柔らかい雰囲気を持つ人々。個性的な人も多いですが、努力する主人公レオンを手助け、応援してくれる、様々な人たちが、読者とレオンを迎え入れてくれることでしょう。 主人公はある悩みを抱えて生きています。それによって故郷を旅立ち、舞台となる街に辿りつきます。悩みを抱えながらも努力をし、街の人たちや仲間との交流を重ねて心身共に成長する姿を見て、いつの間にか彼を応援していました。 読むと、世界とそこに住む人たちが生み出す暖かい世界に包まれると思います。