みさき姉ちゃんの殺人トンネル

“少年ヤヒトの住む村に伝わる心霊スポット「みさき姉ちゃんの殺人トンネル」過去に凄惨な事件が起きたこのトンネルに、ヤヒトは幾度も体をくぐらせる。あの笑顔に会えるのならたとえ殺されてもいい。短編、読みやすい文章という所で疲労感なくすらすら読めるので文章に非常に馴染みやすいです。またその短い物語の中で、最初の””つかみ””から結末までどうなっていくのかという期待感を上手く煽りつつ、コンパクトに収められている所がとても良いです。恐ろしくも、儚く悲しいホラー。良作でした。”

４年前、ある村で一人の少女・みさきが暴行事件に巻き込まれ、行方不明になった。残された血痕と目撃者の証言から、彼女が既に亡くなっていることは明らかであった。それ以降、村では行方不明事件が頻発。彼らは皆最期に「事件のあった場所を見てくる」と言っていたという。このことから、その場所は畏怖を込めてこう呼ばれるようになった――“みさき姉ちゃんの殺人トンネル”と。幽霊にでも出会えたら、と村の少年・ヤヒトはみさきに会いたい一心で何度も家を抜け出してはトンネルを訪れる。「あの笑顔に会えるのなら殺されたっていい」そして月の隠された夜、再びトンネルがその口を開く――。果たして行方不明事件の真相は？そして“殺人トンネル”の正体とは？予測をことごとく裏切る展開、衝撃のクライマックスを見逃すな！