評価:★★★★☆ 4.1
旅の途中で盗賊団に攫われた貴族の次男カインドは、とんでもない美形の剣士に助けられ、その後全くの偶然からドラゴンの孵化に立ち会う。なりゆきで同行することになった二人と一匹は、厄介事をバタバタしつつ切り抜けるうちに、何故だか国を揺るがす陰謀の真っ只中にいた。魔獣騎兵を有する王国に伝わる二つの卵とは――。少々口と頭が回るヘタレと完璧超人に見せかけてぽややんな魔剣士、空気を読むドラゴンの物語。
話数:全61話
ジャンル:ヒロイック・ファンタジー 異世界ファンタジー
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
もうこの組み合わせだけで最高でしょう。と、のっけからレビューを放棄する勢いで結論を出してしまってますが、実際「ドラグーンズ・メイル」は素晴らしい作品です。まず、主役二人の相棒としての関係性。とにかく、二人が独自の信頼関係を構築するに至る過程が、大変丁寧に描かれています。まさに「これぞ相棒」という一つの理想の形と言っても過言ではありません。そしてドラゴンです。登場するのは幼い小竜なのですが、あくまでドラゴンとして、小動物的な愛くるしさ、幻想の生き物としての神秘性や強靱さ、そうした諸々の要素を過不足なく内包しつつ、情緒豊かに表現しきっています。ここで挙げた要素が少しでも琴線に触れたなら、とにかく何も言わずに読んでみて下さい。まさに「こういうものが読みたかったんだ!」というニーズに応えきった名作です。