坂本龍治はダバオでチップを渡される。それには闇の中から世界を支配している権力者の日本支配の研修会が記録されていた。坂本はこれを手がかりに闇の権力者に迫るうち外務省の大平通産局の田中コロムビア大学博士課程の白井貴子と出会う。戦争紛争の絶滅を目指す坂本にプロの殺し屋東郷平四郎、町工場の技術者啓太が協力する。
とくに啓太の開発した謎の飛行物体は世界中の次々と兵器を破壊してゆく。さらに金融システムのコンピューターパルスを破壊すると坂本に脅された闇の権力者たちは新東京裁判所の法廷に立たされる。彼らの巻き返しはなるか、はたまた坂本に屈するか。世界を舞台に繰り広げられる両者の果てしない抗争を描く長編小説。
フィリピンはミンダナオ、坂本龍治はある日本人からチップを手渡される。そのチップには有史来世界を支配しようとしてきた闇の権力者たちの研修会のもようが録音されていた。奴らが世界を支配しているとの坂本の想像を裏付けるものだ。録音は明治維新から戦後体制の今日までの日本支配の概略を説明した後質疑応答がなされていた。坂本は彼らを捕獲して強制収容所で矯正しようとしているが、彼らとは誰なのか何名なのかを掴めていない。そもそも彼らの先祖は神がイスラエルの民に抹殺を命じた11部族の末裔とも言われる。イタリアではフェニキア人とよばれその商才で財を築き、戦争屋を開業、戦争を起こしては当事者国に武器を売りつけ戦費を貸付ける手法は今日まで受け継がれている。
英仏百年戦争、米国独立戦争に限らず戦争はすべて奴らのシナリオであるというのが坂本の持論である。勿論確証はなく推論に過ぎない。その証拠を固めるべくプロの殺し屋東郷、コロムビア大学博士課程白井貴子、外務省アジア局長大平、通産局長田中らの協力を得て奴らの強制連行に踏み切る。問題は奴らの罪状の立証と刑の執行である。
坂本は勝手に新東京裁判所を開廷して訊問してゆく。少しおめでたいところがある坂本だが、戦争絶滅と世界平和を掲げるその純粋さが多くの人を惹きつけ手を貸さずにはおられなくする。坂本は戦争屋廃絶なくして平和はありえないと太陽光利用の謎の飛行物体を世界中に配備し、各地紛争武器兵器の使用と真っ向勝負に挑んでゆく。
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