評価:★★★★☆ 4.3
1994年、奥多摩の白神村で一人の男が全村民を殺害するという前代未聞の大事件が起こる。後に「平成の八墓村」と呼ばれるようになったこの事件であったが、やがて、事件後に廃村となった白神村に事件の『イキノコリ』が出没して村へ侵入する人間を殺す、という噂が流れるようになっていた。それから十年後、今度は八王子市内を走る路線バスが予備校生によって占拠されるという事件が発生。だが、犯人の無謀な要求によって奥多摩の山道を暴走したバスは運転を誤って崖下に転落。助かった乗客ら十名は、偶然近くにあった旧白神村へと避難して救助を待つことになった。ところが、翌日運転手が首切死体となって発見され、さらに乗客二人がバラバラにされて殺害されてしまう。互いに疑心暗鬼になる乗客たち。だが、一人、また一人と乗客たちは殺害されていく。殺人鬼は自分たちの中にいるのか、それとも噂の『イキノコリ』なのか。今、十年のときを経て「惨劇の村」で再び殺戮の幕が開く。誰が死に、誰が生き、誰が殺して、『イキノコル』!
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:未登録
展開:未登録
いや、本当にミステリー好きなら読んで頂きたい作品です!!長さも良い感じですし、事件編と解決編で分かれてますから推理に必要な情報が出揃った時点で、事件について納得いくまで考えられます。何より素晴らしいのは解決を聞いても『理不尽』を感じない事。前触れの無い伏線も、唐突な第三者も、不可解なトリックも、あ・り・ま・せ・ん!!途中にある読書への挑戦状からも、作者のフェアな精神が伝わってきて、これはもう受けるっきゃ無いってなりますから!!是非ともお読みください!!……そして、私と同じように犯人を外してください(笑いやぁ、本当に悔しいですから。向こうがルール守ってる分、本当に悔しいですから!!色んな方にこの悔しさが伝わる事を祈っております。
バスジャックとかつて大量殺人が行われた呪われた村、二つの舞台がリンクし、さらなる悲劇を引き起こす。舞台設定としてはミステリーファンが喜びそうな期待感、ワクワク感を抱かせるもので楽しめました。今回の作品は最後までイキノコリが事件の核となり、熱さを保ったまま展開していくので、読み応えがありました。今回の主人公は「イキノコリ」だと思いますが、実はイキノコリが二人いて、イキノコリ(生き残り)とイキノコリ(真犯人)が最後に相まみえるラストは素晴らしいし、榊原の推理も相変わらず理路整然としつつも、ポイントポイントでしっかりと真犯人を追及していく様は、(今回は)出番が少ないにもかかわらず、さすがは本来の主人公という存在感をいかんなく発揮してるので、その点はしっかりと榊原シリーズで安心しました(笑)これからも素晴らしい作品、期待してます。ありがとうございました。