評価:★★★★☆ 4.1
両親の治療の為に自らを売り奴隷となった黒い髪の少女カルミナは、主の命令により人類未踏の洞穴、自殺洞穴と呼ばれる洞穴の探索者---自殺志願者とならねばならなかった。
そんな中、訪れた森の中。彼女は一人のエルフと出会う。次第、二人は仲良くなっていく。だが、彼女らに待っていたのは無慈悲な運命だった。
「お願いだから……勝手に私の思い出になんかならないで」
そう言いながら、心も体も傷付いたエルフと共に彼女は生きる決意をする。
同じく奴隷であった白い少女との出会いを経て彼女は見果てぬ夢を抱いていく。
そしていつしか帝国内で噂されるオブシディアンの謎に触れ、この世界の真の姿を知っていく。
「カルミナ、貴女は知っていたかしら?この世界は、この大陸は自殺するのよ」
世界を作った神様すら嘆き、死に至る世界。
そんな世界で彼女は見果てぬ夢を見ながら生きて行く。「また、皆で一緒に……」
これはそんな彼女の過ごす剣(包丁?)と魔法(鍋?)のはーとふる(?)な物語。
時代:未登録
舞台:未登録
その他要素
両親の治療費の為、奴隷として貴族に身を売った少女。薬石かいなく逝った両親を看取った後、飼い主である女公爵の元に赴く。命じられた仕事は、迷宮の探索によって、二年以内に己の対価以上の利益を出す事。出来なければ廃却処分。これまでに達成出来た奴隷は、百人に対して僅かに二人。人はその迷宮を「自殺洞穴」と呼び、そこに挑む者は「自殺志願者」と称される。全七階層と言われているが、これまでに探索された階層は、わずかに地下二階まで。少女は使命を達成出来るのか。ハードタッチのダークファンタジーで、グロテスク風味のユーモアも散りばめられています。