評価:★★★★☆ 4.1
ごく普通の高校生である夕雅有斗はある日、わけも分からず異世界に召喚され、いきなり王に祭り上げられた。
美少女に頼まれたというだけで、ラノベやアニメのノリで深く考えずに王様業を安請け合いしてしまう。
だがそこは戦国の世、内外共に難問が山積していた。軍事についても政治についてもまったくのド素人には解決すべき手法を思いつくはずも無い。
そんな中、有斗が行ったひとつの決断が朝廷を揺るがす大事に発展してしまい、それをきっかけとして、この戦乱溢れるアメイジアを平和にすべく本気で奮闘することになる。
果たして普通の学生でしかない有斗が誰もが解決を投げ出した戦国乱世の混迷の世を救えるのか?※この作品においてヒロインの一人が暴力的だとの批判が強くあります。もし暴力ヒロインに我慢ができないようでしたらカクヨムの方に例の赤いアレをマイルドにした版を掲載中ですので、そちらをお読みください(内容と結末も少し変わっております)
話数:全417話
登場人物
主人公属性
- 未登録
職業・種族
- 未登録
時代:未登録
舞台:異世界
雰囲気:未登録
展開:ハッピーエンド
注意:全年齢対象
西洋的な中世近世的世界観の多いなろう系のなかで、最初はなれない古風な日本的用語にとまどうなどしたが、文体も整っているし設定にも重みがある。最初、本当にただのちょっとオタクな男の子がいきなり王にさせられて大失敗を犯す。というとよくあるテンプレみたいに思われるかもしれないが、細かさと情報量が違う。全体としてもご都合主義的なものがそこそこ薄いと思う。無能であった主人公が、現実をみながら、苦難に陥りながらも理想を考え、水溜りに投げられた小石のように波紋を広げていく様は非常におもしろい。是非とも最後まで読んで欲しい。これはレビューで言うべきことではないかもしれないが、個人的に強いていえばアエネアスと主人公の後日談的イチャイチャがもっとみたかった!!!
読後数年が経過して未だに頭から読ませて頂いてる身として僭越ながら初めてレビューを書かせて戴きます。 私が思うに、この物語の本質は、戦記物である、という事ではありません。大人になりきれない青少年が厳しい現実に晒されて苦悩しつつ向き合いながら成長する物語です。当然ながらチートと言われる特別な能力はありません。あるのは吹けば飛ぶような地位だけです。 その地位が主人公を様々な悩みを与え、また、成長させるのですが、それは本編を読んで戴き理解をして戴きましょう。私が言いたいのは、この物語の良さは戦争がどうとかそういう事ではなく、青少年が様々な経験をして、そして結果的に超人になるわけではないという点です。 彼は様々な経験を経て成長しました。物語終了後も様々な問題は生じるでしょう。しかし、読後の読者は彼は諦めず努力を行い、立ちはだかる問題を解決してくれるだろうと思える、そんな素晴らしい物語です。
この作品を読み切るだけの力をもつ読者が少ないのが残念でならない。無双だーとかハーレムだーとか頭空っぽにして読める作品がある事自体は良い。けれどこういう真に読み応えのある文章が評価されていないことはおかしいと個人的に思う。テンプレに飽きた方、最近のなろうのランキングを見ても全く興味が惹かれない方はぜひ読んで欲しい。1章の内容を乗り越えていただき、この作品の素晴らしさを共有したいものだ。設定、考察、魅力的な人物。確たる知識をもとに練り上げられた作品である。戦記とはかくあるべし!
最近の俺tueeeや戦記物なのに主人公一人で大軍を打ち倒すような展開はなく戦記物においての補給の大事さなど非常に綺麗な文章力でまとめ上げています現ランキング上位に入っている作品のような、いわゆるなろうっぽさには欠けているのかもしれませんしかし私は本当の意味でもっと評価されても良い作品だと思っておりますなろうジャンルと言うものが確立されてきた中で私には一際異彩を放っていると思います
それは辛い事だ。英雄や名君の依って立つところを変える程に。しかし、群雄割拠の時代に在って、国営に関して責任のある立場に立ったならば避けられない事象でもあり、そして主要なキャラクターの死がなければ現実的とは言えない。だが、読者は次々と斃れる戦友達に嘆く。だからこそすべての仲間を助けようと主人公も作者も最善を尽くす。つまり、現実(リアル)と虚構(ファンタジー)という小説としての二律背反を抱えていると言える。だが、この作品では前者である現実(リアル)を取った。 戦友の死なない戦争を行える者などいはしない。それはあくまでも理想に過ぎない。戦友を失いながらも戦ってこその現実であり、歴史なのだ。 故に、この作品こそが真に戦記足り得るのだ。