評価:★★★★☆ 4.3
ここは〈自然の恵み〉を体現する能力を持った者たちが暮らす『東ガラット村』。
村の禁足地『入らずの森』近くで折り重なる二つの人影。
「お前は誰だ。何者なんだ?」
少年を地面に組み敷いた若い男が問い質す。背後から少年を押さえ付けた男は少年の耳元に顔を寄せ、まるで愛を囁くように問う。しかし少年は答えられなかった。何故なら、その答えを一番知りたいのは問い掛けられた少年自身だったのだから。
★シリーズ序章 『空に月がかかるとき』よりも三年くらい前の話です。
※2013年夏の企画参加作品。テーマは「観察日記」。
時代:未登録
舞台:未登録
雰囲気:シリアス
展開:未登録
注意:全年齢対象
安定感のある書き慣れた文章で、次々に情景が流れ込む爽快さ。 イマジネーションを掻き立てる小説です。 何故、この地に――。 この場所は一体、何なのか。 少年を取り押さえた男テンは、彼に何を見たのか。 その少年に秘められた力とは……。『東ガラット村』と呼ばれる秘境には、〈自然の恵み〉と呼ばれる能力を持つ者たちが、仲間と狩りをして暮らしていた。 人々の生活や習慣、暮らしの在り方だけではなく、その世界に存在する全てがイメージできる巧みな小説。 好奇心旺盛な少年の目を通して、その世界をご覧ください。